15年のスズキ四輪車販売、52%急増

2016/02/03

省エネ小型車で攻勢、販売網も急拡充

 

 スズキのフィリピン子会社スズキ・フィリピン(SPC)の四輪車販売が好調に推移している。

 2015年(1月~12月)の販売台数は前年比52.3%増の1万0,487台へと急増、輸入車含む総販売台数ベースでのシェアも3.2%に上昇、ブランド別8位へと上昇した。スズキ車の省エネ性、価格の安さ、経済的パフォーマンスなどに対する評価が高まっているといえよう。特に一昨年以来の新型車投入効果が顕在化している。

 SPCは2014年6月に、小型車「スイフト」の1.2リットル車を発売した。既に発売されていた「スイフト」の1.4リットル車も低燃費車として評価が高かったが、1.2リットル車は更に燃費効 率が良いことから注目を集めている。販売価格はマニュアル車が60万8,000ペソ、オートマティック車が64万8,000ペソである。

 2014年7月には、3列シートの7人乗り小型車「エルティガ」を発売した。「エルティガ」は2012年4月よりインドとインドネシアで、2013年3月にタイで販売が開始された。コンパクトでありながら、3列目に大人がしっかり乗る事が出来る広い室内空間と居住性、取り回しの良さが好評を得ている。販売価格帯はGLマニュアル車61万9,000ペソ~GLXオートマティック車81万2,000ペソと割安感がある。

 2015年8月5日には、 Aセグメント(A-Segment、City car、最小型車)の「セレリオ」を正式発売した。「セレリオ」は、Aセグメント車に対する顧客の様々な要望に応えるパッケージングを追求し、Aセグメント車の枠を超えた「A+コンパクト」として提案する新たな小型車である。コンパクトな車体ながら広い室内空間と荷室容量を実現したパッケージングに、開放 感のあるインテリアとエクステリアのデザインを採用している。操作性を高めた新開発の5速マニュアルトランスミッションと副変速機付CVTの2種類のトランスミッションが用意されている。

 上記のうち、特に「エルティガ」が好調で2015年のSPC総販売台数のうちの30%を占めた。また、「アルト」、「スイフト」1.2リットル車、「セレリオ」というミニ・サブコンパクトカー/サブコンパクトカー3モデルで42%を占めた。

 SPCは、サブコンパクトセダン「シアズ(Ciaz)」を発売しつつある。 「シアズ」は、流麗で上質なスタイリング、広く快適な室内空間、低燃費と優れた走行性能の両立、高い安全性能など、セダンに求められる要素を高い次元で融合させた本格セダンであり、昨年6月よりスズキのタイ子会社であるスズキ・モーター・タイランド社にて生産開始、順次販売を開始ししている。この「シアズ」発売効果や「セレリオ」のフル寄与効果が加わることなどで、2016年のSPCの販売も堅調に推移することが期待される。

 SPCは新型モデル積極投入するとともに、販売ネットワーク拡充にも注力している。昨年、南部ルソン島ビコール地方ナガ市において、サクラワールド社によって運営されるショールーム「スズキオート ナガ」がオープンした。また、レガスピ市においても、サクラワールド社によるサテライトショールーム「スズキ レガスピ」が営業開始した。北部ルソン島イサベラ州においても、ノースクワドラント ベンチャーズ&リソース社によって運営されるショールーム「スズキオート イサベラ」が営業開始。2015年年間では10の新販売拠点がオープン、合計32となった(スズキ・フィリピンのウエブサイトなどより)