フィリピンでのヤクルト伸び率、主要市場で最高
2016/01/29
2015年、1日当たり14%増の213万9千に
インドネシア13%増や中国9%増などを凌ぐ
ヤクルト本社が1月29日に、2015年度9カ月間(15年4月~12月)の連結決算を発表した。同期間の連結売上高は前年同期比7.1%増の2,998億円に達した。経常利益は同25.1%増の458億円、帰属純利益は同31.4%増の283億円と大幅増益となった。
アジアでの好調が大幅増益の大きな要因となっている。連結決算発表資料によると、同期間のアジア・オセアニア地域の飲食料部門連結売上高は同25.2%増の754億円、営業利益は同39.4%増の231億円と各々大幅増加した。ヤクルトは、アジア・オセアニア地域においては、フィリピン、香港、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インド、中国などで乳製品乳酸菌飲料などを製造、販売している。
特に、フィリピンでの販売好調が続いている。フィリピンでは、ヤクルト本社が40%出資するヤクルト・フィリピン(持分法適用会社)が、1978年10月から営業を行っている。海外発売時期としては、1964年の台湾、1968年のブラジル、1969 年の香港、1971年の韓国とタイに次ぐ歴史を有している。
連結決算発表補足説明資料によると、2015年(1月~12月)の速報値では、ヤクルト・フィリピンの一日当り販売数量は前年比14%増の213万9千本へと二桁増加した。この販売数量は、海外市場では、中国の528万6千本、インドネシアの433万5千本、韓国の370万6千本、メキシコの349万7千本に次ぐ世界第5位で、タイの212万7千本を上回っている。フィリピンのアジア・オセアニア市場でのシェアは10.6%、全海外市場でのシェアは8.1%に達している。ちなみに、アジア・オセアニア地域全体の一日当り販売数量は同6.5%増の2,013万9千本、海外全体では同5.2%増の2,648万1千本であった。
2015年のフィリピンの前年比14%増という伸び率は、世界で最大の伸びであった米国の16.1%増に次ぐ2番目の伸びであり、3位インドネシアの13.3%増、4位インドの12.4%増、5位マレーシアの11.9%増、6位中国の9.3%増などを上回っている。 伸び率1位の米国での一日当り販売数量は22万9千本に過ぎない。したがって、フィリピンが世界の主要市場で最大の伸び率であったといえる。
なお、ヤクルト・フィリピンの資本金は18億ペソ(約50億円)、2014年末の従業員数は1,000人、ヤクルト・レディーは2,737人、取引店は15万8,297店に達している。工場はカランバ市に立地、2014年末の生産能力は1日250万本。そして、日本と同基準の厳しい品質管理で製造されたヤクルトを低価格で提供してきている(16年1月29日の株式会社ヤクルト本社発表などより)。