高機能印刷・カードの昌栄印刷、フィリピン進出

2016/01/18

マカティ市に100%子会社、カード類販売でスタート

 

 セキュリティ印刷や各種カード類作成などを手掛ける昌栄印刷(本社:大阪市生野区)がフィリピンに進出する。

 昌栄印刷はマニラ首都圏マカティ市に100%子会社(現地法人)を設立しつつある。将来的には、広範な業務を手掛ける意向の様であるが、当初はカード類の販売からスタートする。オフィスは、マカティ市の中心地アヤラ・アベニューとなる模様。

 1918年(大正7年)設立の昌栄印刷は、1923年に民間として初めて紙幣を製造した。更に、1961年日本で初めてMICR印刷技術を開発、 1965年には独自の多色彩紋印刷技術を開発、実用化に成功。1973年には高度情報化社会の到来を予測し、磁気ストライプ付き通帳を手がけ、現在のオン ラインバンキングシステムに大きく貢献している。

 新しい機能を有する製品開発をめざす昌栄印刷は、各種の有価証券・通帳類などの従来からの専門分野はもとより、キャッシュカード、クレジットカード、プ リペイドカードなどの主力製品の製造について高い評価を受けており、デジタルメディアの発達にともなった、さらなる高度情報化社会に向けて、ICカードな どのさまざまなエレクトロニクスの分野でもその技術開発の取り組みに注力している。

 2010年3月には、香港に、現地法人「昌栄印刷香港有限公司(Shoei Printing Hong Kong Company Limited)」を設立した。2014年6月には、ベトナム・ホーチミン市に駐在員事務所を設立した。15年8月には、ベトナムの半導体開発のための国 家機関(ICDREC)との間でスマートカード(非接触型ICチップ搭載カード)のベトナムでの展開を協業して推進する旨の検討合意書を締結した。
 
 フィリピン進出によって、ASEAN統合で更なる経済発展が期待される東南アジアやアジアでの事業拡大ピッチが高まると期待される。これまで培ってきたセキュリティ印刷技術をベースに、フィリピンやアジアでの新たな需要を掘り起こしていく方針のようでもある。