15年の外人金融投資、6億ドルの売り越しに

2016/01/15

2年連続、13年の42億ドル買い越しから激変

 

 フィリピン中央銀行(BSP)は1月14日、2015年12月及び年間(1月~12月)の海外からのポー トフォリオ投資(証券投資等の間接投資)勘定の速報値を発表した。海外からのポートフォリオ投資としてカウントされるのは、非居住者によるポートフォリオ 投資動向であり、証券取引所(PSE)を通じてのフィリピン株式、ペソ建て債券、銀行でのペソ建て預金、マネーマーケット投資などが含まれる。

 12月単月の海外からのポートフォリオ投資勘定は1億7,100万米ドルの売り越しとなった。証券などの取得総額(グロス)は前月比13.7%増、前年同月比34.7%減の12億3,500万米ドル。一方、 処分総額は前月比21.7%増、前年同月比6.0%減の14億0,500万米ドル。

 2015年通年の海外からのポートフォリオ投資勘定は6億米ドルの売り越しとなり前年(3億1,000万米ドルの売り越し)からほぼ2倍の純流出となった。2013年の42億2,500万米ドルの買い越し(純流入)からは様変わりとなった。

 年初2カ月は累計で18億米ドルの買い越しと順調な滑り出しであったが、それ以降は、10月(2,800万米ドルの買い越し)を除き売り越しが連続。最終的には6億米ドルの純流出となった。

 証券などの取得総額(グロス)は前年同期比8.6%減の199億2,600万米ドル。主な投資対象は PSE上場企業株式(持ち株会社、銀行、不動産会社)(シェア77.5%)、ペソ建て国債(21.7%)など。対フィリピン投資国上位5カ国は英国、米 国、シンガポール、ルクセンブルグ、香港で、全体の79.6%を占めた。

 取得総額を四半期ベースで見ると、第1四半期が最も多く68億米ドルに達し、2015年の取得総額の34.3%を占めた。

 一方、2015年の処分総額は7.2%減の205億2,600万米ドルで、そのうちの79.7%が米国投資家によるものであった(16年1月14日のフィリピン中央銀行発表より)。


 海外からのポートフォリオ投資(証券等の金融市場投資)勘定 (単位:百万米ドル)

期間 15年 14年 対前月伸率 対前年伸率 15年 14年 伸率
12月 11月 12月 1-12月 1-12月
取得総額 1,235 1,086 1,891 13.7% -34.7% 19,926 21,796 -8.6%
処分総額 1,405 1,154 1,494 21.7% -6.0% 20,526 22,107 -7.2%
純流入額 -171 -69 397 純流出148%増 純流出に転落 -600 -310 純流出額93%増

(出所:フィリピン中央銀行資料より)