昨年の平均失業率6.3%に改善(14年6.8%)

2016/01/05

最悪は首都圏の8.5%、イロコス8.4%が続く

 

 フィリピン統計庁(PSA)は、2015年1月、4月、7月、10月の労働・雇用動向をまとめて算出した平均値に基づき2015年通年の労働雇用推定速報値を発表した。

 15歳以上の人口(2000年国勢調査基準)は6,493万9千人(レイテ州含まない:以下同様)で、労働力参加率は63.7%。就業者数は3,874万1千人で、就業率(雇用率)93.7%、失業者数は260万2千人で、失業率は6.3%であった。今回の発表資料には過去数値が記載されていないが、 2014年12月の発表資料では、2013年の失業率7.2%、2014年は6.8%と記載されている。単純に比較すると、失業率はかなりの改善傾向を見 せている。

 2015年の就業者3,874万1千人のうち、農業部門が29.1%、鉱工業部門が16.2%、サービス部門が54.7%を占める。就業形態は、賃金労働者が労働者全体の59.3%、そのうち民間企業労働者は45.6%を占めた。自営・事業主は30.7%、無給家内労働者が10.0%であった。フルタイ ム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の63.0%であった。

 不完全就業者(就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事を求めているパートタイム労働者)数は718万人(不完全就業率は18.5%)。
 
 失業者数260万2千人のうち、15歳~24歳の失業者の割合は49.0%で若者の失業者の多さが目立つ。次いで25歳~34歳が30.8%、35 歳~44歳が10.4%となっている。また学歴別では、大学進学・卒業者の失業者の割合は34.9%(卒業者は21.8%)、中学校進学・卒業者は 44.6%(卒業者は33.5%)。性別では男性63.7%、女性36.3%。

 地域別で失業率が最も高いのは、マニラ首都圏(8.5%)。次いで、イロコス地方(8.4%)、カラバルソン地方(8.0%)。一方、失業率が最も低 かったのは、カガヤン・バレー地方(3.2%)、次いでミマロパ地域(3.3%)であった(15年12月29日のフィリピン統計庁発表より)。


フィリピンの雇用・失業者動向(単位:千人)

フィリピン 2013年 2014年 2015年
15歳以上人口 61,176 62,189 64,939
労働力参加率 63.9% 64.4% 63.7%
就業率 92.8% 93.2% 93.7%
失業率 7.2% 6.8% 6.3%
不完全就業率 19.0% 18.4% 18.5%

(出所・国家統計庁資料より作成、レイテ州は含まない、2013年と2014年数値は2014年末発表値)


2015年の地域別就業率・失業率の比較(単位:千人、%)

地域 15歳以上人口 労働力参加率 就業率 失業率 不完全就業率
マニラ首都圏 8,253 62.9 91.5 8.5 10.0
コルディリェラ行政地域 1,188 67.1 95.2 4.8 20.8
1-イロコス 3,587 61.3 91.6 8.4 16.9
2-カガヤンバレー 2,332 67.0 96.8 3.2 11.1
3-中央ルソン 7,281 61.5 92.2 7.8 13.5
4A-カラバルソン 8,576 64.5 92.0 8.0 18.2
4B-ミマロパ 2,045 65.5 96.7 3.3 20.8
5-ビコール 3,972 63.3 94.4 5.6 31.5
6-西ビサヤ 5,359 63.0 94.6 5.4 21.3
7-中央ビサヤ 5,073 67.4 94.1 5.9 18.4
8-東ビサヤ 1,701 62.8 94.6 5.4 31.7
9-サンボアンガ半島 2,293 62.5 96.5 3.5 18.5
10-北ミンダナオ 3,109 67.8 94.4 5.6 24.9
11-ダバオ地域 3,182 64.2 94.2 5.8 18.9
12-ソックサルジェン 2,798 65.0 96.5 3.5 23.2
カラガ 1,792 64.7 94.3 5.7 26.2
ミンダナオ・イスラム教徒自治区 2,398 54.4 96.5 3.5 11.1
           
フィリピン全体 64,939 63.7 93.7 6.3 18.5
 (出所・国家統計庁資料より作成、速報値、レイテ州含まない)