損保ジャパン、フィリピンなどで医師賠償責任保険提供

2015/12/08

アジアの日系病院等向けに、医療の国際展開を支援

 

 損害保険ジャパン日本興亜(損保ジャパン日本興亜)は、海外で活動する日系病院等に対して、医師賠償責任保険(海外版医師賠償責任保険)を海外グループ会社を通じて提供するとともに、再保険のサポートを12月7日から行う。

 この提供を通じて、一般社団法人 Medical Excellence JAPAN(略称「MEJ」)の会員企業として医療の国際展開を積極的に支援する。なお、MEJは日本の医療、ならびに医療に係わる機器・サービス・仕組み等を一体のシステムとして海外へ提供するコーディネート事業を担っている。

 海外版医師賠償責任保険は、日本の医療技術の輸出や海外の医療機関の人材育成支援、病院・診療所経営にあたって懸念されていた海外での医療過誤に伴う現地の賠償リスクを補償する。この保険の販売により、日本の医療技術の国際展開に貢献する。

1.目的・背景
 政府の健康・医療戦略において、日本の医療技術、サービス、機器をパッケージ化した海外展開が注目の1つとなっており官民一体で推進されている。特に、アジア、中東、ロシアなどを中心に日本の高度な医療技術が注目され、MEJのコーディネートにより日本の医療チームが実証研究や技術提供の目的で派遣されるケースや、日本の医療法人・民間企業が医療機関の経営に携わるケースも増えている。

 現在、日本で販売されている医師賠償責任保険は、日本国内での医療行為に起因する賠償責任が補償範囲となっているが、医療の海外展開を背景に海外での日本人医師や日本資本法人による医療行為が増加していることを受け、損保ジャパン日本興亜は海外ネットワークを活用した海外版医師賠償責任保険の提供を開始し、MEJと連携して医療の国際展開を支援することとした。

2.概要
(1)保険種目:医師賠償責任保険
(2)被保険者:海外の病院・診療所・その他医療機関※日本資本、日本の病院からの支援を受けている場合に限る。
(3)対象国:フィリピン、インド、シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシア今後、随時対象国を拡大する予定。
(4)補償内容:海外での医療行為にあたり、職業上または職務上の相当な注意を怠ったことにより、患者に身体の障害(障害に起因する死亡を含む)が発生し、保険期間中に患者またはその遺族により損害賠償請求がなされた場合、患者またはその遺族に対して被保険者が負担する法律上の賠償責任を補償する。
(5)引受開始日:2015年12月7日

3.提供方法
 現地での医療過誤に伴う賠償リスクについて、損保ジャパン日本興亜の海外グループ会社が保険の元受けを行い、損保ジャパン日本興亜は当該リスクを再保険として引き受ける。事故発生の際は、海外グループ会社が現地の弁護士などの専門家と連携してサポートする。

4.今後について
 損保ジャパン日本興亜グループはMEJと協力のうえ、海外で医療事業を手がける顧客のリスク管理をサポートし、包括的な保険カバーの提供を行っていく。また、海外保険会社との提携などを通じて、今後、引受対象国の拡大も図っていく(15年12月7日の損保ジャパン日本興亜ホールディングスのニュースリリースなどより)。