サントリーのスペイン事業、比エンペラドールが買収

2015/12/01

フンダドール等4つのブランドと生産設備を371億円で

 

 サントリーホールディングス(サントリー)のグループ会社であるビームサントリー社(本社:米国イリノイ州ディアフィールド)は、11月30日(米国時間)に、ビームサントリー社がスペインで保有するブランデー・シェリー事業を売却することでフィリピンのエンペラドール社(本社:マニラ首都圏)と合意に達したと発表した。

 この案件は、ビームサントリー社が保有するブランデー・シェリーブランド「Fundador(フンダドール)」、「Harveys(ハーベイ)」、「Terry(テリー)」、「Tres Cepas(トレス セパス)」および、ビームサントリー社がスペイン・ヘレス市トメジョーゾ市に保有する生産設備などを対象とし、売却価格は約371億円(1ユーロ=135円で換算)である。

 ビームサントリー社は、サントリーが昨年約160億ドルで買収した世界第3位のプレミアムスピリッツメーカーであり、バーボンやジャパニーズウイスキーをはじめとする他社に類をみないウイスキーライナップを筆頭に、テキーラ、ウォッカ、コニャック、ラム、リキュール、焼酎など主要カテゴリーを網羅する充実したポートフォリオを有している。フラッグシップブランドである米国ケンタッキー州生まれの「ジムビーム」は、世界No.1バーボン、No.2アメリカンウイスキーブランドとして愛飲されている。

 エンペラドール社は、フィリピンの有力コングロマリットであるアライアンス・グローバル・グループ(AGI)傘下の酒類製造・販売会社で、フラッグシップブランド「Emperador」を保有する世界最大手のブランデー製造会社である。2014年には、スコッチウイスキー会社第5位Whyte and Mackay Limited(ホワイト・アンド・マッカイ社)を買収。ブランで^のほか、ウイスキーの「The Dalmore」、「Jura」、「Whyte&Mackay」、「John Barr」、ウオツカの「Vladivar」等のブランドを保有している。また、既にスペインでのブランデー一貫製造体制(ブドウ園 経営から醸造まで)を構築している。今回の買収が完了するとスペイン事業がi一段と拡充されることになる。

 このような積極策や低価格を武器に、エンペラドール社の洋酒販売数量はフィリピン最大で市場シェア50%に達すると見られている。ブランデーの販売数量では世界段トツとなっている。2013年のブランデー販売数量は3,300万ケー スで、世界第2位のメーカーの3.5倍の規模に達している。また、第2位~第10位の合計販売数量を上回っている。そして、世界上位100社でのシェアは21%(数量ベース)に達している(15年12月1日のサントリーホールディングス株式会社ニュースリリースなどより)。