いすゞ、フィリピンに国際的アフターセールス拠点

2015/11/22

カビテ州に「いすゞグローバル・サービス社」設立

 

 いすゞ自動車(いすゞ、本社:東京都品川区)は、中期経営計画に基づき、稼働サポート事業の強化を図ることを目的にいすゞグローバル・サービスコーポレーション(IGSC)を設立し営業を開始した。

 IGSCでは、フィリピンにおける自動車整備士の国家資格を持つ整備士を採用し、いすゞ製品の整備に特化した講習や実技訓練を通して日本の高いサービス技術やノウハウを習得させ、世界各国のいすゞ系ディーラーのアフターセールスの支援を行っていく。当面支援先はフィリピン国内のいすゞ系ディーラーとし、将来的には中近東、インドシナ半島へ順次拡大していく。

<新会社概要>
新会社名称: いすゞグローバル・サービス コーポレーション
新会社英文表記:Isuzu Global Service Corporation
所在地:フィリピン共和国カビテ州バコール市
代表者: 酒井 章安氏
事業内容:フィリピン及びその他海外販売会社のアフターセールス支援
資本金: 1億ペソ(約2.7億円)
設立年月: 2015年9月4日
営業開始: 2015年11月16日
出資比率 いすゞ100%

 いすゞは、これからも海外市場における各国のニーズにあった商品の提供をすべく、生産・販売体制の最適化、購入者の車両のライフサイクルコストの低減や車両の整備に必要な部品の供給体制/サービス工場の整備・強化に取り組んで行く方針である。

 なお、いすゞ自動車(いすゞ)は、レイテ島タクロバン市において2008年11月発足のフィリピン労働雇用省技術教育技能開発庁(TESDA)自動車整備士養成学校の設立、運営、教育を継続支援してきている。

 これは、いすゞの社会貢献活動の一環で、貧困地域在住の有能な若者の中から奨学生を選抜し、フィリピン自動車業界の発展に貢献する自動車整備士を育成することで、フィリピン国内における貧困の解消、特に若年層における失業者の解消に寄与していくことなどを目的としている。このTESDA自動車整備士養成学校の卒業生には、フィリピンで最高の自動車整備士の最高国家資格であるNC4が授与される。

 この自動車整備士養成学校は、2013年11月に中部フィリピンを襲った超大型台風30号(フィリピン名:ヨランダ)により壊滅的な被害を受け1年以上の閉鎖を余儀なくされてきた。この間、いすゞは被災した生徒や学校職員に対して社内有志による寄付を届けるとともに、学校復旧に向けての支援を行ってきた。また、現地支援団体も再建に協力した。

 この結果、2015年2月に復旧が完了、67名の生徒に対する授業が再開された。そして、このほど第8期生14名が目出度く卒業となった。これにより、2015年10月時点で、最高国家資格NC4を取得した卒業生は累計で149人に達した。

 卒業生は、いすゞフィリピン(IPC)、いすゞオートパーツ・マニュファクチャリング、販売店、取引先企業などへの就職の道が開かれている。それ以外への就職の場合でも、養成学校で培われた技術、チームワーク、マナーなどが十分活用されている。実際、フィリピンのみならず各国の自動車販売会社や自動車整備工場でメカニックとして活躍、その優れた技能や知識の高さにより各職場で高い評価を得ている。

 いすゞフィリピン(IPC)の主要株主は、いすゞ自動車と三菱商事でともに35%出資している。IPCの設立は1995年8月、同年にフィリピンでの工場起工式を執り行い、1997年に正式落成、生産を開始した(15年11月20日のいすゞ自動車株式会社ニュースリリースなどより)。