比ヤクルト販売15%増、伸び率首位の座維持
2015/11/15
9カ月間の1日当たり販売数量約214万本
インドネシア13%増や中国11%増等を凌ぐ
取引店16万店、ヤクルトレディー約3千人に
ヤクルト本社が11月13日に、2015年度上半期(15年4月~9月)の連結決算を発表した。同期間の連結売上高は前年同期比7.6%増の1,943億円に達した。経常利益は同36.5%増の283億円、帰属純利益は同41.4%増の170億円と大幅増益、半期ベースでの過去最高益を更新した。
アジアでの好調が過去最高益更新の大きな要因となっている。連結決算発表資料によると、同期間のアジア・オセアニア地域の飲食料部門連結売上高は同30%増の460億円、営業利益は同35.7%増の131億円と各々大幅増加した。ヤクルトは、アジア・オセアニア地域においては、フィリピン、香港、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インド、中国などで乳製品乳酸菌飲料などを製造、販売している。
特に、フィリピンでの販売好調が続いている。フィリピンでは、ヤクルト本社が40%出資するヤクルト・フィリピン(持分法適用会社)が、1978年10月から営業を行っている。海外発売時期としては、1964年の台湾、1968年のブラジル、1969 年の香港、1971年の韓国とタイに次ぐ歴史を有している。
連結決算発表資料によると、ヤクルト・フィリピンズの2015年上半期(1月~6月)の一日当り販売数量(確定値)は、前年同期比15.5%増の212万7千本と好調であった。15.5%増という伸びはマレーシアの20.9%増、米国18.8%増に次ぐ世界第3位の伸びであった。マレーシアは一日当り販売数量は30万3千本、米国は同じく22万3千本という規模に過ぎず、主要市場の中では、フィリピンの伸びが最高であった。
そして、2015年9カ月間(1月~9月)の速報値では、ヤクルト・フィリピンの一日当り販売数量は前年同期比14.8%増の213万9千本へと増加した。この販売数量は、海外市場では、中国の559万本、インドネシアの421万3千本、韓国の382万6千本、メキシコの352万3千本に次ぐ世界第5位で、タイの210万5千本を上回っている。フィリピンのアジア・オセアニア市場でのシェアは10.5%、全海外市場でのシェアは8%に達している。ちなみに、アジア・オセアニア地域全体の一日当り販売数量は同6.7%増の2,046万1千本、海外全体では同5.3%増の2,679万5千本であった。
今9カ月間のフィリピンの前年同期比14.8%増という伸び率は、世界で最大の伸びであった米国の17.8%増に次ぐ2番目の伸びであり、3位マレーシアの14.7%増、4位インドの13.6%増、5位インドネシアの13.3%増、6位中国の同11.3%増などを上回っている。 米国での一日当り販売数量は9カ月間でも22万7千本に過ぎない。したがって、9カ月間累計でも、フィリピンが世界の主要市場で最大の伸び率であったといえる。
なお、ヤクルト・フィリピンの資本金は18億ペソ(約50億円)、2014年末の従業員数は1,000人、ヤクルト・レディーは2,737人、取引店は15万8,297店に達している。工場はカランバ市に立地、2014年末の生産能力は1日250万本。そして、日本と同基準の厳しい品質管理で製造されたヤクルトを低価格で提供してきている(15年11月13日の株式会社ヤクルト本社2016年3月期第2四半期決算短信資料などより)。