メトロバンク、フィリピン最強の銀行に選出

2015/11/15

アジア9位に、比銀行で初のベストテン入り

自己資本比率(CAR)19.9%、CET1は16.0%
総資産約1.7兆ペソ、9カ月間で実質25%増益

 

 当地第2位(総資産ベース)の商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク、本店マニラ首都圏マカティ市)が、2015年第3四半期(1月~9月)報告書を提出した。

 それによると、今9カ月間の主力の融資業務による純金利収入は前年同期比6.6%増の362億5,600万ペソに達した。純利鞘率は3.6%で上位行のなかでは最高水準であった。一方、非金利収入は同25.7%減の141億4,000万ペソへと減少した。特に、その他収入が同47.8%減の56億8,000万ペソへと大幅減少した。これは、前年同期には高水準の非中核資産売却益が計上されていたことなどによる。

 一方、営業費用は同1.3%減の293億5,400万ペソに抑えられた。これらの結果、期間純利益は7.2%減の144億1,100万ペソ、帰属純利益は同1.3%増の132億5,300万ペソとなった。ただし、非中核資産売却益など一次的損益を控除したコア純利益ベースでは25%増となる。すなわち実質25%増益決算であった。
 
 9月末の総資産は前年同期末比10%増の1兆6,578億ペソ、受け入れ預金残高は同6.2%増の1兆1,759億ペソ、融資残高は同10.3%増の7,689億ペソに達している、バーゼルⅢ基準による自己資本比率(CAR)は19.9%、中核株式自己資本比率(CET1)も16.0%と高水準。一方、不良債権比率は1.2%と低水準。
 
 9月末の国内店舗数は939店、海外支店は32店、ATM設置台数は約2,183台に達している。本店には2002年よりジャパンデスクを 設置済みであり、同デスクは日本人ヘッドのほか、総勢12名の陣容となっている。在日拠点は東京支店(設置:1996年3月)、大阪出張所(設置:1998年12月)の2拠点となっている。

 日系中堅中小企業のフィリピン進出・投資が増加しており、15年10月末時点で、メトロバンクは日本の政府系金融機関2行(日本政策金融公庫・国際協力銀行=JBIC)と地域金融機関63行との間で、日系企業のフィリピン進出支援について提携しており、ほぼ日本全国の地域金融機関が窓口になる。地域金融機関は個別提携19行、国際協力銀行(JBIC)を通じた提携45行(重複行あり)となっている。

 なお、シンガポールを拠点とする有力金融誌である「ザ・エイジアン・バンカー」は、このほど、2015年版「バランスシートから見たアジア最強銀行500」を発表した。それによると、2015年首位は香港のバンク・オブ・チャイナ(香港)であった。以下、2位シンガポールのOCBC、3位マカオの中国商工銀行(マカオ)、4位香港の中国商工銀行(アジア)、5位香港のHSBCと続く。

 そして、メトロバンクが第9位にランクされている。メトロバンクは、CARが19.9%、CET1が16.0%と高水準であること、自己資本額が1,924億ペソに達していることなどが評価され、フィリピン最強、アジアでも9位とランクされたのである。またこのランキングにおいて、フィリピンの銀行がベスト10入りするのは初めてのことである(メトロバンク2015年第3四半期報告書や15年11月11日のフィリピン証券取引所回覧06068-2015号などより)。