10月の外人金融投資、8カ月ぶりの買い越し

2015/11/14

2,800万ドル、10カ月間では3.6億ドルの売り越し

 

 フィリピン中央銀行(BSP)は11月13日、2015年10月及び年初10カ月間(1月~10月)の海外からのポートフォリオ投資(証券投資等の間接投資)勘定の速報値を発表した。海外からのポートフォリオ投資としてカウントされるのは、非居住者によるポートフォリオ投資動向であり、証券取引所(PSE)を通じてのフィリピン株式、ペソ建て債券、銀行でのペソ建て預金、マネーマーケット投資などが含まれる。

 10月単月の海外からのポートフォリオ投資勘定は2,800万米ドルの純流入となった。今年3月以降、7カ月連続で売り越しが続き、ようやく8カ月ぶりの買い越しである。

 証券などの取得総額(グロス)は前月比20.4%増、前年同月比5.9%減の16億4,700万米ドル。主な投資対象はPSE上場企業株式(不動産会社、持ち株会社、銀行、食品・飲料・たばこ会社、電気通信企業)(シェア68.6%)、ペソ建て国債(31.2%)など。対フィリピン投資国上位5カ国は米国、シンガポール、英国、日本、ベルギーで、全体の78.2%を占めた。一方、 処分総額は前月比4.3%減、前年同月比16.1%減の16億1,900万米ドル。

 また、10カ月間の海外からのポートフォリオ投資勘定は3億6,000万米ドルの売り越し(前年同期10億7,700万米ドルの売り越し)。証券などの取得総額(グロス)は前年同期比2.8%減の176億0,600万米ドル。一方、処分総額は6.4%減の179億6,600万米ドルであった(15年11月13日のフィリピン中央銀行発表より)。


海外からのポートフォリオ投資(証券等の金融市場投資)勘定 (単位:百万米ドル)

期間 15年10月 15年9月 14年10月 対前月伸率 対前年伸率 15年1-10月 14年1-10月 伸率
取得総額 1,647 1,368 1,751 20.4% -5.9% 17,606 18,115 -2.8%
処分総額 1,619 1,692 1,931 -4.3% -16.1% 17,966 19,192 -6.4%
純流入額 28 -324 -180 純流入に転換 純流入に転換 -360 -1,077 -66.5%

(出所:フィリピン中央銀行資料より)