スターツ、フィリピンでレンタル工場事業開始
2015/11/12
ラグナ州グリーン・フィールド・オートパークにて
不動産仲介大手の スターツコーポレーション(スターツ、本社:東京都中央区日本橋)が出資する現地法人スターツ ファシリティー フィリピンは、PEZA工業団地「グリーン・フィールド・オートパーク(ラグナ州サンタロサ市)」内にて、自社の企画・運営によるレンタル工場事業に参入する。
多くの日系中堅メーカーには、フィリピンへの新規進出時に、既に完成した建物を賃貸することで、土地の購入や工場の建設に伴う初期投資を極力抑えたいというニーズがある。一方、現地の工業団地には、通常6,000平米、小規模でも2,000~3,000平米というレンタル物件が多いため、スターツ ファシリティー フィリピンでは、中堅メーカーに適した小規模なレンタル工場(500平米~1,000平米、7区画)「スターツ レンタル ファクトリー」の建設に着手する。
「スターツ レンタル ファクトリー」はフィリピン経済特区庁(PEZA)に認定された「PEZA工業団地」に位置し、新規進出企業が自ら詳細な各種規定を確認した上で工場を建設するといった煩雑な業務を省くことができ、PEZA認定企業は税優遇を享受しながら操業が可能になる。また、「グリーン・フィールド・オートパーク」はPEZA工業団地の中でもマニラ中心地やマニラ国際空港から車で30分程度の好立地にあり、少ない日本人駐在員で運営する中堅メーカーにとって特にメリットが大きいことも特徴のひとつである。
なお、グループ会社であるスターツフィリピンはマカティ市で2012年に営業を開始し、賃貸物件(住居、事務所、工場・倉庫)の仲介をメイン業務としてきた。今後はスターツ ファシリティー フィリピンを通じレンタル工場事業にも参入し、スターツの海外ネットワーク22カ国34都市と連携しながら、現地ニーズに合わせ、日系企業の海外進出をサポートして行く方針である。
<「スターツ レンタル ファクトリー」プロジェクト概要>
・総事業費:約7億円
・建築予定地:グリーン・フィールド・オートパーク
・敷地面積:約1ha、建築面積:約8,000平米
・事業許認可許可:2015年7月
・竣工予定:2016年秋(予定)
・設計・施工会社:現地ゼネコン
・運営母体:スターツ ファシリティー フィリピン
<PEZA認定企業への主な優遇措置>
・4年間(最長8年間)の法人所得税免除
・輸入資本材、部品、原材料の関税免除
・通信、電力、水道代を含む現地購入品の付加価値税12%の免除
なお、スターツは1986年にハワイ(オアフ島)に現地法人を設立後、アジア・米国・オーストラリア・欧州へと海外不動産ネットワークを構築し続けて29年、現在は世界22カ国・34都市に拠点を有している。そして、日系企業の海外進出をサポートする為、駐在員の居住用賃貸物件の仲介からオフィス、店舗、工場といった事業用物件の仲介を行っている。さらに各都市のニーズに合わせ、サービスオフィスの運営(上海・ヤンゴン・イスタンブール)や自社ホテル開発(プノンペン)、レンタル工場の開発及び運営(フィリピン)へと事業を拡充している。
2014年度の海外での不動産仲介実績は、住宅(賃貸・売買)2,011件、オフィス・商工319件、取引先企業1,002社である。各拠点では日本と異なる商慣習や現地の賃料相場を把握した上で、日本語を話せるスタッフが物件案内や査定、書類作成、マーケティングなどをフルサポート。また、グループ68社と連携しながら、海外赴任中の日本の留守宅管理や日本帰任時の住宅探しなど、様々なサービスを提供。さらには、渡航前に日本での打合せを可能にするため、東京・日本橋に「国際事業本部」を設置。現地と連携を取りながら、双方で日系企業の海外進出をサポートしている(15年11月12日のスターツコーポレーション株式会社ニュースリリースより)。