ジョリビー系不動産ダブルドラゴン、収益急拡大
2015/11/12
第3四半期純利益2.3倍の6億ペソ、9カ月間でも倍増
昨年4月にフィリピン証券取引所(PSE)に新規上場し急成長を続ける不動産企業「ダブルドラゴン・プロパティーズ」(ダブルドラゴン、DD)が、11月11日に、2015年9カ月間(1月~9月)の決算速報を発表した。
それによると、不動産開発事業が本格離陸したことで、第3四半期(7月~9月)の純利益は前年同期比132%増の5億8,940万ペソへと急増した。9カ月間累計の純利益も同111%増(約2.1倍)の7億1,360万ペソに達した。
今9カ月間、特に第3四半期の純利益が急増したのは、今後の収益の柱としている地域密着型中小型ショッピング・モールである「シティモール」事業が離陸したことによる。これまで用地取得など開店準備を進めてきた「シティモール」が5店オープンしたことが反映されている。
DDは、ジョリビー・フーズ(JFC)創始者であり現会長であるトニー・タン・カクティオン氏と、2010年にJFCグループ入りしたバーべキュー・ チェーン「マン・イナサル」創業者エドガー・シアⅡ氏によって保有されている不動産企業である。すなわち、ジョリビー・グループ企業といえる。
上記のように、今後は「シティモール」事業に注力していく方針である。そのために、流通・不動産・金融コングロマリットであるSMグループの旗艦企業SMインベストメンツ(SMIC)と中小型モール事業で提携している。 SMICは、DDの100%子会社であるシティーモール・コマーシャルセンター(CMCCI)に34%出資した。
「シティモール」は地域社会に根差す売り場面積5千~1万平米の中小型モールであり、スーパーマーケット、小売り店、JFC傘下のジョリビー、マン・イナサル、チャウキン(中華)、レッド・リボン (ケーキ)、グリーンウイッチ(ピザ)などのファースト・フーズチェーン店などで構成される。
DDは、「シティモール」を2020年までに100店出店する計画である。第1号店は、昨年12月にロハス市に完工、今年3月にフル・オープンした。また、8月12日には、カビテ州イムスのアギナルド・ハイウェイ沿いにルソン島1号店をオープン した。そのほか、ルソン、ミンダナオ、セブ、ボラカイ島などでの用地取得もしくは用地 リース契約締結が急ピッチで進展している。今上半期末時点で、32の戦略的地点で用地を確保済み、20カ所でモール建設が着工されており、2015年末までに25店体制とする。
このモール事業離陸期入りなどでDDの業績は急上昇していく見込みである。DDは、純利益が2016年までに10億ペソ、2020年までに48億ペソに達すると予想している。
まお、DDは、今年7月6日に、フィリピン証券取引所(PSE)メインボードへ指定替えとなった。DDは昨年4月に、PSEの中小企業(SME)ボードに新規上場、SMEボード銘柄として取引されてきた。しかし、時価総額は既に、PSE上場の全不動産企業の中で10位以内になるなど、メインボード指定替えの資格があると評価され、新規上場後わずか1年間強で格上げとなった(15年11月11日のフィリピン証券取引所回覧06097-2015号より)。