比アクサが総合保険企業に、損保企業CPACを買収

2015/11/08

メトロバンクG内での株式移動、シナジー効果拡大期待

 

 メトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク、本店:マニラ首都圏マカティ市)グループは、傘下の持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)などを通じての保険事業基盤が一段と強化されつつある。

 メトロバンク・グループの保険事業の主力はフィリピン・アクサ ライフ インシュランス(比アクサ)による生命保険(生保)事業である。フィリピン生保業界第2位(総合手数料ベース)の比アクサは、フランスAXAグループと、メトロバンク・グループのGTキャピタル及び投資銀行ファースト・メトロ・インベストメント(FMIC)との合弁企業である。出資比率はGTCAPが25.3%、FMICが28.2%、すなわち、メトロバンク・グループの出資比率は合計53.5%である。

 一方、GTCAPは2013年10月と2014年初にかけて、有力損害保険(損保)企業であるチャーター・ピン・アン社(CPAC)株式100%を約21億ペソで取得した。CPACは比損保業界第4位(正味保険料収入ベース)にランクされている。すなわち、メトロバンク・グループは既に生保と損保業界双方の上位企業を保有しているのである。

 そして11月5日に、比アクサはGTCAPからCPAC株式100%を23億ペソで取得する契約を締結した。この株式売買は2016年第1四半期中に完了予定である。この売買が完了すると、比アクサは総合保険企業へと変身する。フランスAXAは比アクサを通じてフィリピン損害保険市場にも参入することになるともいえる。

 メトロバンク・グループにとってはグループ内での損害保険企業株式の移動ともいえるが、保険事業が比アクサに一本化されることによる更なるシナジー効果顕在化や効率化効果が期待され、保険事業拡大ピッチに拍車がかかると期待される(15年11月6日のフィリピン証券取引所回覧05975-2014号、11月5日のフランスAXAニュースリリースなどより)。