ビジネス環境度、189カ国中103位(前回97位)

2015/10/29

起業手続き、少数投資家保護などで厳しい評価
タイ49位、ベトナム90位、インドネシア109位

 

 世界銀行とその傘下の国際金融公社(IFC)が10月28日に、「ドーイングビジネス(ビジネス環境)2016年版」 (副題:質と効率の評価)を発表した。これは、各国・地域でのビジネス遂行の容易さ・便益性をランキングしたものであり、今回が13回目の発表となる。

 今回も前回と同様、世界189カ 国・地域が比較対象となっており、起業の容易度、建設認可取得容易度、財産の登録容易度、与信獲得容易度、少数投資家保護度、税金支払い手続き簡易度、輸 出入手続き容易度、契約の有効度、破産手続きの容易度、電力調達容易度という10のビジネス環境インデックスでランキング が決定されている。  

 「ビジネス環境2016版」における総合評価トップは引き続きシンガポールであった。以下、2位ニュージーランド、3位デンマーク、4位韓国、5位香 港、6位英国、7位米国、8位スウェーデン、9位ノルウェー、10位フィンランドと続く。アジアが常連のシンガポール、香港のほか、韓国と上位を占めてい る。日本は34位にまで後退した。投資先、成長力の高さなどで注目されている中国は84位、インドは130位と、ビジネス環境度の評価は低い。

 東南アジア諸国は、トップのシンガポールのほか、マレーシアが18位、タイが49位、ベトナムが90位、フィリピンが103位、イン ドネシアが109位、ラオスが134位などとランクされている。

 世界103位とされたフィリピンは、昨年の97位(新基準でのランク、旧基準では95位)から低下し、アセアン主要国の中では、インドネシアに次ぐ低い評価となっている。

 フィリピンの個別評価は、起業の容易度165位、少数投資家保護度155位、契約の有効度140位、税金支払い手続き簡易度126位、財産の登録容易度 112位、与信獲得容易度109位、建設認可取得容易度99位、輸出入手続き容易度95位、破産手続きの容易度53位、電力調達容易度19位であった。

 フィリピンは電力調達容易度、破産手続きの容易度で比較的高い評価となっているが、起業の容易度、少数投資家保護度、契約の有効度では非常に低いランク となっている(15年10月28日の世界銀行公社発表より)。