最大銀行のBDOユニバンク、総資産ほぼ2兆ペソに
2015/10/27
9カ月間の純利益6%増の176億ペソ、連続最高益期待
店舗1千店、ATM設置3千台超、ジャパンデスク充実
当地の最大銀行(総資産ベースなど)であるBDOユニバンク(BDO)が、2015年第3四半期(7月~9月)及び9カ月間(1月~9月)の決算速報を発表した。
それによると、BDOの今9カ月間の帰属純利益は前年同期比6%増の 176億ペソに達した。本業の融資業務による純金利収入が同12%増の418億ペソと好調、非金利収入も同8%増の238億ペソと堅調であった。この結 果、税引き前利益は同19%増の220億ペソに達した。税負担が大幅増加したことで、最終純利益は一桁増にとどまったものの好調な決算であったといえる。
なお、BDOの2014年の年間純利益は前年比0.8%増の228億ペソで連続史上最高益更新となった。 2013年との比較では小幅増益という結果となったが、2013年は非常に高水準の売買益が計上されたことによるもので、一時的損益を控除した実質ベース では18%増益であった。2015年は2014年を上回るペースで推移しており、引き続き年間最高益更新の可能性がある
2015年7月にワンネットワーク銀行(ONB)を買収したことでBDOのトップの座は一段と強固になった。9月末の融資残高は前年同期末比19%増の1兆2,967億ペソ、受け入れ預金残高は同12%増の1兆6,001億ペソへと二桁増加した。そして、総資産残高は1兆9,525億ペソと2兆ペソに接近 した。
財務体質の改善も進んでおり、9月末の不良債権(NPL)比率は1.2%、前年同月末の1.4%から更に低下した。不良債権貸倒引当率は182%に達している。また、バーゼルⅢ基準による自己資本比率(CAR)は13.4%、普通株中核自己資本(CET1)比率は 11.4%で、中央銀行の各々の最低基準である10%、8.5%をかなり上回っている。
なお、BDOの本店所在地はマニラ首都圏 マカティ市。フィリピン全土に1,000店以上の店舗、3,000台以上のATM、海外に28拠点を有している。 ジャパンデスクを設置しており、日系企業向けサポート体制が充実している。日本企業のフィリピン進出増加に対応すべく、日本の国際協力銀行(JBIC)や 有力地方銀行との提携を進めてきている(15年10月26日のフィリピン証券取引所回覧 057299-2015号などより)。