ジョリビー、米国バーガーチェーンに約1億ドル出資
2015/10/14
スマッシュバーガー株式40%取得、完全子会社化も視野
ファ-ストフード・チェーン最大手のジョリビー・フーズ(JFC)は、国内だけでなく、海外でも積極展開を図りつつある。
2015 年8月末のJFCのフィリピン国内店舗数は2,384店。内訳はハンバーガーのジョリビー884店、中華のチャウキン422店、ピザのグリーンウイッチ221店、ケーキ・ベーカリーのレッドリボン354店、鶏肉・バーべキュ-のマン・イナサル457店、バーガー・キング46店となっている。一方、海外店 舗数は629店舗であり、ジョリビーフーズ・グループ国内外総店舗数は3,013店舗に達している。
JFCは海外ネットワークの更なる拡充戦略の一環として、米国の新興ハンバーガー・チェーン「スマッシュバーガー」の株式40%を9,900万米ドルで 取得することで合意した。この出資額は「スマッシュバーガー」の純資産額2億4,800万米ドルなどをベースに決定された。今回の取得は40%であるが、 2018年から2021年の間に35%の追加取得、2019年から2026年の間に更に25%追加取得するオプションが付せられている。
「スマッシュバーガー」の本部は米国コロラド州デンバーで、現在米国35州と海外7カ国で合計339店(直営店184店、フランチャイズ店155店)を 展開している。この5年間で店舗数は年平均20%のペースで増加している。売上高は年率30%増のペースで推移しており、2015年の売上高は約3億 3,900万米ドルに達すると予想されている。
JFCは現在、米国で87店を展開している。内訳はジョリビー32店、レッドリボン33店、チャウキン19店など。米国87店で全売上高の5%を占めて いるが、「スマッシュバーガー」の戦力化により、米国市場の貢献度が高まることになる。
なお、フィ リピンでは、ハンバーガーのジョリビーが国民食とまで称されるほどの圧倒的な支持を得ている。マクドナルドがハンバーガー市場でトップになれない唯一の主要国がフィリピンでもある。ジョリビーのシェアは約50%と見られる。ジョリビーの6月末の国内店舗数は880店で、前年末の839店から41店の純増と なっている。
一方、マク ドナルド・フィリピン(比マクドナルド)は、当地の有力持株会社アライアンス・グローバル・グループ(AGI)関連会社のゴールデンアーチス・デベロップメント(GADC)によって展開されている。第1号店は1981年にオープンした。6月末の比マクドナルド店舗数は464店で、前年同月末の422店から42店、率にして 10%の純増となった。
このようにジョリビーの店舗数880店は、比マクドナルドの約1.9倍であ り、その差はなかなか縮小しない。ジョリビーのグループ企業であるバーガー・キング45店を加えればその差はさらに拡大、ジョリビー・グループ925店対比マクドナルド464店となる。
このようななか、JFCがついに本場米国の急成長バーガーチェーンに40%出資、将来的には子会社化を視野に入れているというのは興味深い動きである (15年10月13日のフィリピン証券取引所回覧05533-2015号などより)。