9月の新車販売、29%増の2万7千台で月間記録

2015/10/08

首位トヨタのシェア40.8%、2位三菱18%、4位いすゞ7.8%
9カ月間で21.5%増の20万6千台、年間最高記録期待

 

 10月8日付け各紙電子版などによると、フィリピン自動車工業会(CAMPI)が、2015年9月及び9カ月間(1月~9月)の新車販売動向を発表した。

 それらによると、 2015年9月のフィリピン国内四輪車新車販売台数 (CAMPIとトラック工業会加盟企業分のみ:以下工業会加盟企業分と記す)は、前年同月比29.4%増の2万7,069台に達し、月間記録を更新した。 堅調なフィリピン景気、各社の販促強化の奏功などにより二桁増加ペースを続けた。また、2月から8カ月連続での2万台超となった。車種別では、乗用車が同26.3%増の1万0,703 台、商用車が31.5%増の1万6,366台であった。

 9 月のメーカー別販売台数シェア(工業会加盟企業ベース)首位は、トヨタモーター・フィリピン(TMPC)の40.8%(前年同月比16%増の1万 1,057台)であった。 第2位は三菱モータース・フィリピンの18%(同17%増の4,867台)、第3位はフォード・モーター・フィリピンの11.3%(同52%増の3,065台)、第4位はいすゞ・フィリピンの7.8%(同74%増の2,113台)、第5位はホンダカーズ・フィリピンの7.7%(同54%増の2,092台)であった。上位陣では、引き続き、いすゞとホンダが高い伸びを見せた。また、フォードの急回復が目立つ。

 2015年9カ月間 (1月~9月)の新車総販売台数(工業会加盟企業分)は、前年同期比21.5%増の20万6,284台に達した。 車種別では、乗用車販売台数が同28.5%増の8万4,036台(構成比41%)と好調であった。一方、商用車も同17.2%増の12万2,248台(構成比59%)へと二桁増加となった。

 上記の販売台数、前年同期比、シェアなどは、自動車工業会加盟企業ベースの数値であり、CAMPIを脱退している韓国系の現代アジア・リソース (HARI)分などを含まないベースである。

フィリピンの四輪車販売台数推移(工業会加盟企業ベース)

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 9カ月間
2014年 15,647 16,859 19,216 18,015 19,598 19,622 20,730 19,116 20,924 169,727
2015年 18,662 20,663 23,557 21,259 23,139 24,185 24,569 23,181 27,069 206,284
伸び率 19.3% 22.6% 22.6% 18.0% 18.1% 23.3% 18.5% 21.3% 29.4% 21.5%

(出所:ASEAN自動車連盟統計などより作成)

 なお、2014年の新 車販売台数(工業会加盟企業分)は、前年比30%増の23万4,747台であった。また、CAMPIを脱退している韓国系の現代アジア・リソース (HARI)など自動車輸入販売企業協会(AVID)加盟企業分を含む総販売台数は同27%増の26万9,841台に達した。そして、双方ともに3年連続 での過去最高更新となった。

 2015年もさらなる増加が期待できる状況である。CAMPIは現時点では、2015年の工業会加盟企業の販売台数は2014年比16%増の27万 2,000台に達し、4年連続で最高記録を更新すると予想している。非加盟企業分も含めた新車総販売台数も30万台を突破、同15%増の31万台程度に達 し、やはり4年連続の最高記録更新と見込んでいる。9カ月間の実績はその予想を上回るペースとなっている。

 フィリピンの2014年の1人当たり名目GDPは前年比7.6%増の12万6496ペソで、年末のペソ対米ドルレートで換算すると約2,830米ドルと なる。1人当たり名目GDPが3,000ドルを超えると家電など耐久消費財が急速に普及し、モータリゼーション(自動車社会化)が始まるといわれている。 この点からも、フィリピン自動車市場の拡大ピッチは高まることが期待される。