東ソー子会社マブハイ・ビニール株価、18日もストップ高

2015/09/18

子会社化発表直前14日の1.90ペソから4.63ペソへと2.4倍に

 

 東ソーが87.9%の株式を取得したフィリピンの有力ソーダ製品製造・販売会社企業であるマブハイ・ビニ―ル・コーポレーション(マブハイ社、フィ リピン証券取引所=PSE上場、本社:マニラ首都圏マカティ市)の株価が急騰を続けている。

 既報のとおり、マブハイ社は9月14日に、「東ソーが、マブハイ社株式約3億1,778万株(48.05%相当)を追加取得した」と正式発表した。東ソーはそのうち35.47%相当をBDOユニバンクから、残りの約12.58%を少数株主向けの公開買い付け(TOB)によって取得した。1株当たり取得価格は1.70ペソであった。これらの売買は、9月14日にフィリピン証券取引所(PSE)において、ブロックセールというかたちで行われた。この追加取得により、東ソーのマブハイ社保有比率は87.97%に高まった。ちなみに、2015年6月末時点での保有比率は39.92%であった。

 BDOユニバンクからの追加取得は7月23日に合意され既に報道済みであったが、正式発表後の9月15日のマブハイ社株価は一時前日比26%高の2.40ペソまで急騰、終値も2.17ペソ(14%上昇)となった。16日終値は2.06ペソと一服となったが、17日はストップ高(50%上昇)の3.09ペソまで買われ、3.09ペソのまま引けた。さらに、18日も連続ストップ高の4.63ペソで引けた。子会社化正式発表前の14日終値は1.90ペソであり、正式発表後4日間で約2.4倍に急騰したことになる。

 マブハイ社は1934年にマブハイラバー社として設立され、1960年に化学品、PVC製品事業開始を決定した。1965年から苛性ソーダ年産4千トンの生産能力で生産・販売を開始した。その後、フィ リピンにおける苛性ソーダの需要拡大に伴い、生産増強を行っており、フィリピン唯一の電解メーカーとして、その地位をより確固たるものとしてきた。PSEには1997年2月に上場された。

 マブハイ社の2014年年間の売上高は前年比3.3%増の14億5,184万ペソ、純利益は同8.4%増の7,903万ペソであった。2015年上半期(1月~6月)の売上高は前年同期比9.4%増の7億3,152万ペソ、純営業利益は同85.4%増の5,573万ペソ、純利益は同64.4%増の4,628万ペソと続伸基調となっている。

 東ソーは、フィリピンに、80%出資のフィリピン・レジンズ・インダストリーズ(1994年設立、塩化ビニール樹脂等の製造・販売)、74.5%出資のトーソー・ポリビン(1998年設立、塩ビコンパウンド等の製造・販売)などの拠点を有しているが、フィリピンでの拠点拡充の一環として、2000年にマブハイ社に資本参加した。

 三菱商事もマブハイ社に資本参加(2015年6月末で約6%を保有)するとともに、原料の塩類を供給している。