東ソーの子会社化でマブハイ・ビニール株価急騰
2015/09/17
17日はストップ高(50%上昇)、正式発表後63%上昇
上半期の純営業利益85%増、純利益は64%増加
東ソーが87.9%の株式を取得したフィリピンの有力ソーダ製品製造・販売会社企業であるマブハイ・ビニ―ル・コーポレーション(マブハイ社、フィ リピン証券取引所上場=PSE、本社:マニラ首都圏マカティ市)の株価が急騰している。
既報のとおり、マブハイ社は9月14日に、「東ソーが、マブハイ社株式約3億1,778万株(48.05%相当)を追加取得した」と正式発表した。東ソーはそのうち35.47%相当をBDOユニバンクから、残りの約12.58%を少数株主向けの公開買い付け(TOB)によって取得した。1株当たり取得価格は1.70ペソであった。これらの売買は、9月14日にフィリピン証券取引所(PSE)において、ブロックセールというかたちで行われた。この追加取得により、東ソーのマブハイ社保有比率は87.97%に高まった。ちなみに、2015年6月末時点での保有比率は39.92%であった。
BDOユニバンクからの追加取得は7月23日に合意され既に報道済みであったが、正式発表後の9月15日のマブハイ社株価は一時前日比26%高の2.40ペソまで急騰、終値も2.17ペソ(14%上昇)となった。16日終値は2.06ペソと一服となったが、17日はストップ高(50%上昇)の3.09ペソまで買われ、3.09ペソのまま引けた。正式発表前の14日終値は1.90ペソであり、正式発表後3日間で63%上昇したことになる。ちなみに、この1年間の高値は4.70ペソ、安値は1.52ペソである。
マブハイ社は1934年にマブハイラバー社として設立され、1960年に化学品、PVC製品事業開始を決定した。1965年から苛性ソーダ年産4千トンの生産能力で生産・販売を開始した。その後、フィ リピンにおける苛性ソーダの需要拡大に伴い、生産増強を行っており、フィリピン唯一の電解メーカーとして、その地位をより確固たるものとしてきた。PSEには1997年2月に上場された。
マブハイ社の2014年年間の売上高は前年比3.3%増の14億5,184万ペソ、純利益は同8.4%増の7,903万ペソであった。2015年上半期(1月~6月)の売上高は前年同期比9.4%増の7億3,152万ペソ、純営業利益は同85.4%増の5,573万ペソ、純利益は同64.4%増の4,628万ペソと続伸基調となっている。
東ソーは、フィリピンに、80%出資のフィリピン・レジンズ・インダストリーズ(1994年設立、塩化ビニール樹脂等の製造・販売)、74.5%出資のトーソー・ポリビン(1998年設立、塩ビコンパウンド等の製造・販売)などの拠点を有しているが、フィリピンでの拠点拡充の一環として、2000年にマブハイ社に資本参加した。
三菱商事もマブハイ社に資本参加(2015年6月末で約6%を保有)するとともに、原料の塩類を供給している。