エプソンの衣料用プリンター、比アパレル業界でも活躍
2015/09/13
有力デザイナーが活用、世界のファッションショーに出展
セイコーエプソン(エプソン)のフィリピンにおける販売・サービス拠点であるエプソン・フィリピン(EPC)は、昨年6月に、衣料や生地に直接プリントできるガーメント(衣料)プリンター「SC-F2000」や「SC-F7100」を発売した。これらの衣料プリンターがフィリピンのアパレル、ファッション業界に大きく貢献しつつある。
「SC-F2000」は、これまでエプソンがインクジェットプリンターで培った高い技術を応用し、多色を使ったイラストや写真の表現もフルカラーで高画質プリントが可能で、本体・プリントヘッドの高い耐久性を実現した、安心かつ使いやすいガーメントプリンターである。パソコンからデジタルデータをTシャツ・ポロシャツなどの綿衣類やトートバックに直接プリントするので製版の必要がなく、短納期で生産が可能となり、小ロットの場合でも低コストでプリントで きる。
EPCは、スポーツアパレル、ソフトサイン用途向け昇華転写プリンター「SC-F7100」も投入。「SC-F7100」は、昇華型インクで転写紙に印刷し、熱を加えインクを気化させて転写することでポリエステル生地に色材を定着させる昇華転写方式のプリンターである。印刷の際に版が不要なデジタル方式のため、印刷工程もシンプルで多品種少量印刷に適している。プリントヘッド、インクをはじめとしたハードウェアを昇華転写専用に最適化したことで、安定稼働に貢献する高い信頼性を実現した。また、美しいグラデーションや写真などの階調表現が必要とされるデザインも高画質に印刷が可能で、スポーツウェアなどのアパレルや垂れ幕、宣伝用ののぼり旗など幅広い用途で利用できる。
このエプソンの「SC-F2000」や「SC-F7100」は、既にフィリピンの有名ファッション・ブランドである 「Avel Bacudio」、「Conspicuous Swimwear」、「Ziya」、「Empire」などの作成に利用されている。
「Avel Bacudio」ブランドを主宰し2014年アジア最有力デザイナーに選出されたAvel Bacudio氏は、9月12日に米国カリフォルニア州シリコンバレーのサンタクララコンベンションセンターで開催の「Fモード ファッションショー」、9月18日からフランス パリで開催される「メルセデス ベンツ ファッションウイーク」に「SC-F7100」活用の作品を出展、世界の有力デザイナーと競う。
Avel Bacudio氏は「エプソンの衣料用プリンターの表現力の高さは称賛に値する。オリジナル・デザインを忠実に再現できる。オリジナル・デザインを忠実に再現しており、このプリンターによる作品が ファッションショーの舞台に現れる時は感動と興奮を禁じ得ない。私が空想したもの全てが作品に転嫁する」とコメントしている。フィリピンの他の有力デザイナーも同様に表現力の高さなどを称賛している。
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なお、1998年に設立された販売拠点であるエプソン・フィリピン(EPC)は短期間で10億ペソ超企業に成長、現在は77の公認サービスセンター、200以上のディーラー、800以上の販売店を有するに至っている。
一方、生産拠点であるエプソン・プレシジョン・フィリピン(EPPI)は、120億円以上を投じて、インクジェットプリンターとプロジェクターの生産拡大に対応するための新工場を建設しつつある。2017年初頭に竣工、2017年春には稼働を開始する予定。従業員数も現在の約1万2,500人から最終的には2万人体制となりそうである(エプソン・フィリピンやセイコーフィリピンのウエブサイトなどより)。