8月も新車販売好調、21.3%増の2万3,181台(工業会)

2015/09/08

首位トヨタのシェア41.7%、2位三菱20.6%、3位いすゞ8.2%
8カ月間で20.4%増の17.9万台、4年連続の最高記録期待

 

 フィリピン自動車工業会(CAMPI)が、2015年8月及び8カ月間(1月~8月)の新車販売動向を発表した。

 それによると、2015年8月のフィリピン国内四輪車新車販売台数 (CAMPIとトラック工業会加盟企業分のみ:以下工業会加盟企業分と記す)は、前年同月比21.3%増の2万3,181台に達した。堅調なフィリピン景気、 各社の販促強化の奏功などにより二桁増加ペースを続けた。また、7カ月連続の2万台超となった。通常はビジネスが低調となる8月に2万台を大幅に上回ったことは注目に値する。車種別では、乗用車が同29.2%増の1万0,334台、商用車が同15.5%増の1万2,847台であった。

 8月のメーカー別販売台数シェア(工業会加盟企業ベース)首位は、トヨタモーター・フィリピン(TMPC)の41.7%(前年同月比15%増の9,655台)であった。 第2位は三菱モータース・フィリピンの20.6%(同13%増の4,770台)、第3位はいすゞ・フィリピンの8.2%(同94%増の1,896台)、第4位はホンダカーズ・フィリピンの7.0%(同48%増の1,700台)、第5位はフォー ド・モーター・フィリピンの6.4%(同25%減の1,484台)であった。上位陣では、前月に引き続き、いすゞとホンダが高い伸びを見せた。

 2015年8カ月間 (1月~8月)の新車総販売台数(工業会加盟企業分)は、前年同期比20.4%増の17万9,215台に達した。 車種別では、乗用車販売台数が同28.8%増の7万3,333台(構成比41%)と好調であった。一方、商用車も同15.3%増の10万5,882台(構成比59%)へと二桁増加となった。

 上記の販売台数、前年同期比、シェアなどは、自動車工業会加盟企業ベースの数値であり、CAMPIを脱退している韓国系の現代アジア・リソース(HARI)分などを含まないベースである。

 

フィリピンの四輪車販売台数推移(工業会加盟企業ベース)

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 8カ月間
2013年 12,303 14,439 15,292 15,094 15,856 14,244 15,689 13,700 116,617
2014年 15,647 16,859 19,216 18,015 19,598 19,622 20,730 19,116 148,803
2015年 18,662 20,663 23,557 21,259 23,139 24,185 24,569 23,181 179,215
2015年伸び率 19.3% 22.6% 22.6% 18.0% 18.1% 23.3% 18.5% 21.3% 20.4%

(出所:ASEAN自動車連盟統計などより作成)

 なお、2014年の新車販売台数(工業会加盟企業分)は、前年比30%増の23万4,747台であった。また、CAMPIを脱退している韓国系の現代アジア・リソース (HARI)など自動車輸入販売企業協会(AVID)加盟企業分を含む総販売台数は同27%増の26万9,841台に達した。そして、双方ともに3年連続での過去最高更新となった。

 2015年もさらなる増加が期待できる状況である。CAMPIは現時点では、2015年の工業会加盟企業の販売台数は2014年比16%増の27万2,000台に達し、4年連続で最高記録を更新すると予想している。非加盟企業分も含めた新車総販売台数も30万台を突破、同15%増の31万台程度に達し、やはり4年連続の最高記録更新と見込んでいる。8カ月間の実績はその予想を上回るペースとなっている。

 フィリピンの2014年の1人当たり名目GDPは前年比7.6%増の12万6496ペソで、年末のペソ対米ドルレートで換算すると約2,830米ドルと なる。1人当たり名目GDPが3,000ドルを超えると家電など耐久消費財が急速に普及し、モータリゼーション(自動車社会化)が始まるといわれている。 この点からも、フィリピン自動車市場の拡大ピッチは高まることが期待される。