バーガー市場、依然ジョリビーがマクドナルド圧倒

2015/08/27

6月末店舗数:880対464、商品戦略などの奏功

 

 フィリピンでは、ハンバーガーのジョリビーが、国民食とまで称されるほどの圧倒的な支持を得ている。マクドナルドがハンバーガー市場でトップになれない唯一の主要国がフィリピンでもある。ジョリビーのシェアは約50%と見られる。

 ジョリビーはフィリピン最大のファ ストフード企業ジョリビー・フーズ(JFC)によって運営されている。2015年6月末のJFCのフィリピン国内店舗数は2,374店に達している。内訳 はハンバーガーのジョリビー880店、中華のチャウキン422店、ピザのグリーンウイッチ219店、ケーキ・ベーカリーのレッドリボン349店、鶏肉・ バーべキュ-のマン・イナサル459店、バーガー・キング45店 となっている。海外の627店舗を含めた総店舗数は 3,001店舗に達し、3千店の大台を突破した

 このうちハンバーガー・チェーンのジョリビーの6月末の国内店舗数は880店で、前年末の839店から41店の純増となっている。

 一方、マク ドナルド・フィリピン(比マクドナルド)は、当地の有力持株会社アライアンス・グローバル・グループ(AGI)関連会社のゴールデンアーチス・デベロップ メント(GADC)によって展開されている。第1号店は1981年にオープンした。このほど発表された AGIの2015年上半期(1月~6月)事業報告書によると、6月末の比マクドナルド店舗数は464店で、前年同月末の422店から42店、率にして 10%の純増となった。

 このようにジョリビーの店舗数880店は、比マクドナルドの約1.9倍であ り、その差はなかなか縮小しない。ジョリビーのグループ企業であるバーガー・キング45店を加えればその差はさらに拡大、ジョリビー・グループ925店対比マクドナルド464店となる。

 フィリピンにおいて、ジョリビーがマクドナルドを圧倒している理由は、フィリピン人の食習慣や嗜好を的確に把握したメニューを開発、提供していることで あると考えられる。まず、フィリピン人は甘い味付けを好むが、ハンバーガーのドレッシング、スパゲティー類などは、マクドナルドよりかなり甘い。外国人に は甘すぎる味付けと感じられるが、フィリピン人には、基本的には、味や規格が世界標準で統一されたマクドナルドのメニューよりは遥かに好まれていると思わ れる。マクド ルドも、一部ローカル好みのメニユーを取り入れるようになってはいるが、フィリピンの大衆を虜にするには至っていない。
 
 また、フィリピン人はコメが大好きで三食ともに米食というパターンが多い。また、ファースト・フードレストランといえども、スナックではなく本格的な食 事を好む消費者が多い。そこで、ジョリビーはライス付きの割安なセットメニューを数多く用意し、コメ好きのフィリピン人の心をしっかり捉えている。

 食の基本である味付けでは、フィリピン人の嗜好を徹底的に重視する一方で、セントラル・キッチンの高度活用、店舗スタッフの作業や顧客対応などは米国方 式のマニュアルに沿うなど効率性を追求していることもジョリビーの強かさであるといえよう。
 
 さらに、子供達の誕生パーティーなどイベント会場を提供、宅配、海外フィリピン人就労者(OFW)から留守宅や知人・友人へのプレゼント宅配、グループ 内異業種チェーンとのシナジー効果最大化、海外展開拡充、蜜蜂を模したマスコットフル活用などのマーケティング戦略強化に余念がないことも成功につながっ ている。

 今年5月には、ユニクロ・フィリピンと提携した。提携内容は、ユニクロのTシャツ「UT」に、ジョリビーの人気マスコットキャラクター(蜜蜂モチーフな ど)をデザインしたバージョンを投入、6月1日からフィリピンのユニクロ各店で販売というものである(ジョリビーフーズとアライアンス・グローバル・グ ループの2015年上半期事業報告書などより)。