三井物産、フィリピンのトヨタ車事業一段と拡大

2015/08/25

販社トヨタ・クバオ、上半期売上高28%増の30億ペソ
トヨタ・マニラベイ販売台数5748台、売上高58億ペソ

 

 三井物産のフィリピンでのトヨタ車事業が一段と拡大している。

 三井物産は2013年6月に、メトロバンク・グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)から、トヨタ車の販売会社であるトヨタ・クバオ(TCI)の株式4,500万株を取得した。これにより、TCIの出資比率は、GTCAP51.4%、三井物産が40%、個人投資家8.6%となった。

 TCIは1989年に設立されたトヨタ車販売の草分け的存在である。TCIの2015年上半期(1月~6月)の全売上高は前年同期比28%増の30億ペソに達した。同期間の自動車販売台数は同15%増の2,841台、自動車販売額は同29%増の28億ペソで全売上高の93%を占めた。競争激化等により粗利率が6.9%へ低下(前年同期は7.3%)、営業費用が同30%増加したことから純利益は同55%減の650万ペソにとどまったが事業規模は順調に拡大していると言えよう。

 三井物産はトヨタ・マニラベイ社(TMBC)にも40.0%出資している。TMBCはフィリピン最大のトヨタ車販社であり、トヨタ車販売シェアは約 10%である。TMBCの2015年上半期(1月~6月)の全売上高は前年同期比6.4%増の58億ペソに達した。同期間の自動車販売台数は同6%増の5,748台、自動車販売額は同5.7%増の53億ペソで全売上高の92%を占めた。競争激化等により粗利率が5.4%へ低下(前年同期は5.8%)したことなどから、純利益は同20%減の5,340万ペソにとどまったが、売上は順調に増加、トヨタ販社トップの座を維持している。

 また、三井物産は、トヨタ自動車のフィリピン製造拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMPC)にも15%出資している(GTCAPが51%、トヨタ自動車が34%)。その他、レクサス車販社であるレクサス・マニラにも25%出資している。
 
  既報のとおり、トヨタモーター・フィリピン(TMPC)の今上半期の売上高は前年同期比9.3%増の534億ペソ、帰属純利益は同69.1%増の51億ペソに達した。増収効果に加え、コスト節減効果や円安効果もあって、粗利益率は16.5%(前年同期は13.6%)、営業利益率は12.8%(同 8.3%)、純利益率は9.7%(同6.3%)へと一段と向上した(GTキャピタルの2015年第2四半期事業報告書などより)。