比トヨタ自動車好調続く、上半期は69%増益に
2015/08/16
帰属純利益51億ペソ、売上9%増の534億ペソに
粗利益率16.5%(前年13.6%)、工業会シェア44%
当地第2位(総資産ベース)の商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)がトヨタ車事業を強化しつつある。
GTCAPは、トヨタ自動車のフィリピン拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMPC、所在地:ラグナ州サンタロサ市)の株式保有比率を51%に高めているほか、有力販社であるトヨタ・マニラベイ社(TMBC)やトヨタ・クバオ社(TCI)のマジョリティーを保有している。さらに、昨年9月には、トヨタ・ファイナンシャル・サービス・フィリピン(TFSPC)株式40%を取得した。これらのトヨタ関連各社の業績が総じて好調に推移している。その中心であるTMPCの2015年上半期(1月~6月)の動向は以下のとおり。
<トヨタモーター・フィリピン(TMPC)>
TMPCの今上半期の売上高は前年同期比9.3%増の534億ペソ、帰属純利益は同69.1%増の51億ペソに達した。2013年6月発売の新型ヴィオス、2014年発売の新型カローラ・アルティス、ウイゴー、ヤリスなどの貢献で、販売台数が同19%増の5万7,717台と好調で、工業会加盟企業ベースでのシェア43.9% と断トツの座を維持していることが好業績につながっている。
増収効果に加え、コスト節減効果や円安効果もあって、粗利益率は16.5%(前年同期は13.6%)、営業利益率は12.8%(同8.3%)、純利益率は9.7%(同6.3%)へと一段と向上した。
TMPCは、2014年まで13年連続で、フィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)となった。 2015年の販売も一段と好調であり、 14年連続の三冠王達成が期待される状況である。
なお、TMPCは、1988年にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立され、1989年から生産/販売を開始した。現行資本金は約24億ペソ(約58億円)、出資比率はトヨタ自動車34%、 三井物産15%、メトロバンク・グループ(GTCAP)51%となっている。従業員数は2,017名(2013年12月末時点)に達している。
現在、サブ・コンパクト・セダン「ヴィオス」や中型多目的車(MPV)「イノーバ」を現地生産しているほか、各種乗用車、商用車の輸入販売、国内向け部品販売、部品輸出などを手掛けている。また、販社「レクサス・マニラ」を通じて、ハイブリッド車を含む各種レクサス車の輸入販売を行っている。2009年1月に開業し昨年に5周年を迎えた「レクサス・マニラ」は三井物産との合弁企業であり、TMPCの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となっている。
フィリピンにおけるトヨタとレクサスのディーラーは合計47である。2015年には10店をオープンする予定である。TMPCが直接出資しているのはトヨタ・マカティ(出資比率100%)、トヨタ・サンフェルナンド・パンパンガ(同75%)、レクサス・マニラ(同75%)などである。