ジョリビー系不動産ダブルドラゴン、上半期47%増益と好調

2015/08/14

純利益1億2千万ペソに、16年10億ペソ、20年48億ペソ目標

  

 昨年4月にフィリピン証券取引所(PSE)に新規上場し急成長を続ける不動産企業「ダブルドラゴン・プロパティーズ」(ダブルドラゴン、DD)が、8月14日に、2015年上半期(1月~6月)の決算速報を発表した。

 それによると、不動産開発事業が本格化しつつあることで、今上半期の収入は前年同期比57%増の6億1,200万ペソ、純利益は同47%増の1億2,400万ペソと大幅増収増益となった。第2四半期(4月~6月)の純利益は40%増の8,800万ペソに達した。

 今上半期、特に第2四半期の収益が拡大したのは、ラサール大学のタフト・キャンパスに隣接する住宅プロジェクト「タフト・レジデンス」と「スカイスイートタワー」が収益化したことによる。今後は、主力事業として推進しているモール事業の収益化により業容が拡大していくと見込まれる。

 DDは、ジョリビー・フーズ(JFC)創始者であり現会長であるトニー・タン・カクティオン氏と、2010年にJFCグループ入りしたバーべキュー・ チェーン「マン・イナサル」創業者エドガー・シアⅡ氏によって保有されている不動産企業である。すなわち、ジョリビー・グループ企業といえる。

 今後は、特に、地域密着型中小型ショッピング・モール事業に注力していく方針である。そのために、流通・不動産・金融コングロマリットであるSMグループの旗艦企業SMインベストメンツ(SMIC)と中小型モール事業で提携した。 SMICは、DDの100%子会社であるシティーモール・コマーシャルセン ター(CMCCI)に34%出資した。

 「シティモール」は地域社会に根差す売り場面積 5千~1万平米の中小型モールであり、スーパーマーケット、小売り店、JFC傘下のジョリビー、マン・イナサル、チャウキン(中華)、レッド・リボン (ケーキ)、グリーンウイッチ(ピザ)などのファースト・フーズチェーン店などで構成される。

 DDは、「シティモール」を2020年までに100店出店する計画である。第1号店は、昨年 12月にロハス市に完工、今年3月にフル・オープンした。また、8月12日には、カビテ州イムスのアギナルド・ハイウェイ沿いにルソン島1号店をオープンした。そのほか、ルソン、ミンダナオ、セブ、ボラカイ島などでの用地取得もしくは用地 リース契約締結が急ピッチで進展している。今上半期末時点で、32の戦略的地点で用地を確保済み、20カ所でモール建設が着工されており、2015年末までに25店体制とする。

 このモール事業離陸期入りなどでDDの業績は急上昇していく見込みである。DDは、純利益が2016年までに10億ペソ、2020年までに48億ペソに達すると予想している。

 まお、DDは、今年7月6日に、フィリピン証券取引所(PSE)メインボードへ指定替えとなった。DDは昨年4月に、PSEの中小企業(SME)ボードに新規上場、SMEボード銘柄として取引されてきた。しかし、時価総額は既に、PSE上場の全不動産企業の中で10位になるなど、メインボード指定替えの資格があると評価され、新規上場後わずか1年間強で格上げとなった(15年8月14日のフィリピン証券取引所回覧04610-2015号より)。