ニッポン高度紙工業、比パルプ企業ALDを買収

2015/08/11

 アルミ電解コンデンサ用セパレータの原料の安定確保へ

 

 ニッポン高度紙工業(本社:高知市、JASDAQ上場)は、8月7日開催の取締役会において、フィリピンでパルプの製造・販売事業を展開しているアルバイ アグロ-インダストリアル デベロップメント社(ALD社、本社マニラ首都圏マカティ市)の株式を取得(子会社化)することを決議し、同日、同社株主と株式売買契約書等を締結した。なお、株式取得に関しては、同日付で同社株式の40%を取得し、フィリピンでの外資規制に対する条件等が整い次第、残りの60%を取得する予定である。

 ニッポン高度紙工業の主力製品であるアルミ電解コンデンサ用セパレータは国内外の顧客から高いシェアを得ており、安定供給責任を果たすことが重要な経営課題のひとつと考え、原材料となるパルプについては原則二社購買を実施するなど安定調達に努めてきた。

 ニッポン高度紙工業の重要な原料調達先であるALD 社は、パルプの原料となる原麻を調達する子会社(タグ ファイバー社およびファイバー トレーディング社)を有し、1974年の設立以来、顧客の要求に応えられる高品質なパルプを日本や欧州に供給している。ALD社の主力製品・非木材パルプの原料であるマニラ麻は、丈夫な繊維が取れることからその用途は幅広いものの、フィリピンやエクアドルなど限られた地域でしか生産されておらず、近年は需給が逼迫している状況である。

 ニッポン高度紙工業は、ALD社を子会社にすることにより、セパレータ事業における製品の原料を将来に亘り安定的に調達することができ、製品の安定供給体制を維持・強化できると判断し、ALD社の株式を取得することを決定した。

 なお、1974年1月に設立されたALD社の現行資本金は2億ペソ、2004年12月末の総資産は8億9,215万ペソ、純資産は3億0,153万ペソ。2014年の売上高は6億3,087万ペソ、営業利益は2,858万ペソ、純利益は434万ペソ(以上の数値は単独ベース)となっている。

 ニッポン高度紙工業は今後、セパレータ事業における製品の原料を安定的に確保するとともに、ALD社においては既存の顧客との取引を従来どおり継続することに加え、既存・新規の顧客との取引の拡大を通じ、ニッポン高度紙工業グループの企業価値向上を図っていく(15年8月7日のニッポン高度紙工業株式会社ニュースリリースなどより)。