上半期の訪日者、フィリピン人がASEAN第2位に

2015/07/22

51%増の13.9万人でタイに次ぐ、伸び率でも第2位
6月は39%増、10カ月連続で各月の最高記録更新

 

日本政府観光局(JNTO)は7月22日、訪日外客数などに関する2015年6月の推計値を発表した。



 2015年6月の訪日外客数は前年同月比51.8%増の160万2,200人(推計値)となり、6月として過去最高だった2014年の105万6千人を54万7千人上回った。夏休みシーズンの開始と継続的な訪日プロモーションや円安に加え、航空路線の拡大、査証(VISA)免除・要件緩和、昨年10月にスタートした消費税免税制度の拡充などが訪日需要を押し上げた。

 市場別では、中国が全市場を通じて単月最高となる46万2千人に達した。また、米国は欧米豪市場で初めて単月10万人を超えた。台湾、香港が単月として過去最高を記録したほか、インドネシア、英国、ロシアを除 く17市場が6月としての過去最高を記録した。

 上位5市場は、1.中国(前年同月比167.2%増の46万2,300人) 2.台湾 (35.8%増の34万5,200人) 3.韓国(21.2%増の25万1,500人) 4.香港(75.4%増の13万7,000人) 5.米国(16.2%増の10万2,100人)。

 フィリピンは前年同月比38.6%増の1万8,600人で、6月として過去最高を記録、2014年9月から10カ月連続で各月の過去最高を記録している。独立記念日を含む3連休、航空会社各社による期間限定のプロモーション価格での航空券販売が、訪日需要を刺激する要因となった。査証緩和や円安の効果、旅行博等における継続的なプロモーションにより訪問先の選択肢としての「日本」のイメージが浸透しつつある。
   
 6月及び上半期の東南アジア主要国からの訪日外客動向(推定値段階)

順位 2015年6月 前年同月比 2015年上半期 前年同期比
1位 タイ 43,400 +19.5% 423,600 +28.1%
2位 フィリピン 18,600 +38.6% 138,500 +50.8%
3位 マレーシア 18,500 +8.6% 133,600 +14.9%
4位 シンガポール 29,200 +25.3% 129,900 +32.8%
5位 インドネシア 17,100 +9.2% 96,700 +28.4%
6位 ベトナム 13,000 +52.7% 94,300 +58.3%
参考 世界合計 1,602,000 +51.8% 9,139,900 +46.0%
参考 中国 462,300 +167.2% 2,178,600 +116.3%

(出所:日本政府観光局資料より作成、数値は推計値)

 2015上半期(1月~6月)の累計訪日外客数は前年同期比46%増の913万9,900人(推計値)となった。これまで過去最高であった2014 年上半期の訪日外客数626万人を288万人余りも上回った。上位5市場は、1.中国(前年同期比116.3%増の217万8,600人) 2.韓国(42.6%増の181万9,300人) 3.台湾(28.9%増の179万2,600人) 4.香港(64.2%増の69万1,600人)、5.米国(13.6%増の50万7,000人)であった。
 
フィリピンからは50.8%増の13万8,500人で上半期最高記録を更新した。東南アジアではマレーシア(13万3,600人)、シンガポール(12万9,900人)、インドネシア(9万6,700人)、ベトナム(9万4,300人)を上回り、タイ(42万3,600人)に次ぐ第2位となった。また、伸び率でもベトナムの58.3%増に次ぐ第2位であった。 

 下表のとおり、フィリピンからは2014年に前年比70%増の184,204人と急増、10年ぶりに史上最高を記録(それまでの過去最高は2004年の154,588するとともに、東南アジアで最も高い伸び率を示した。2015年に入って、訪日意欲・関心は一段と高まっているといえよう。

フィリピンからの訪日外客数推移

  2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年上半期
訪日外客者 77,377 63,099 85,037 108,351 184,204 138,500
伸び率 +8.2% -18.5% +34.8% +27.4% +70.0% +50.8%

(出所:日本政府観光局資料などより作成、2015年数値は上半期推計値、伸び率は前年上半期との比較)

なお、「訪日外客」とは、国籍に基づく法務省集計による外国人正規入国者から日本に永住する外国人を除き、これに、日本を経由して第三国に向かうために日本 に一時的に入国した通過客(一時上陸客)を加えた入国外国人旅行者のことである。「観光客」とは、短期滞在の入国者から「商用客」を引いた入国外国人で、 親族友人訪問を含んでいる(15年7月22日の日本政府観光局発表などより)。