NEC、比国家警察に新自動指紋認証システム提供

2015/07/22

従来に比べ3倍の速度、5倍のデータベース容量

 

 日本電気(NEC)の海外現地法人であるNECフィリピンは、フィリピン国家警察(PNP)に自動指紋認証システム(AFIS)を提供した。



 今回、新たに導入した自動指紋認証システムは、あらかじめデータベースに登録してある犯罪者の指紋画像と、犯罪現場に残された遺留指紋(物体を触った時に残る指紋の跡)の照合を行うなど、フィリピン国内における犯罪・鑑識捜査の用途に活用される。

 なお、このシステムは、NECがフィリピン国家警察に収めた従来のシステムと比べて、約3倍のスピードでの指紋画像の検索・照合を実現したことに加え、指紋画像を保存するデータベースの容量を従来の5倍に拡大している。このシステムにより、犯罪捜査における被疑者の特定や災害時の犠牲者の識別等を、これまで以上に迅速かつ効率的に行うことができる。

 PNPは、「PNP's Crime Laboratory Modernization」プログラムにおいて、2030年に向けて、より一層信頼ある警察組織の確立を目指す「PNP Patrol Plan Vision」構想を掲げており、このシステムの導入はその一環となる。

 NECは、米国国立標準技術研究所(NIST)が実施した指紋認証技術のベンチマークテスト(FpVTE2012、押捺指紋照合ベンチマーク評価)において、NECの指紋認証技術が第1位の照合精度を有するとの評価を獲得している。このテストでは、大規模データベースを対象にする「国民ID」や「犯罪捜査」分野での実運用を想定し、警察や政府機関など、異なる組織で実際に採取された指紋画像を対象にしている。
 
 また、2003年のテスト開始以来、最大規模である最大500万人規模の大量の指紋データを用いて、検索や本人確認などの精度評価が行われた。NECは平均照合率が99.63%と参加全18社のうちトップの結果を示し、その技術力の高さを確実なものとした。

 NECグループは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進している。先進のICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現してく方針である(15年7月22日の日本電気株式会社ニュースリリースより)。