RCBC、上半期純利益25%増の25億3千万ペソ

2015/07/16

顧客口座数690万に、700社超の日系企業と取引

 

注目のフィリピン銀行業界の2015年上半期(1月~6月)の決算発表が開始された。総じて堅調との見方が多い。まず、有力拡大商業銀行であるリサール商業銀行(RCBC)が、7月15日に、2015年上半期の決算速報を発表した。


 それによると、RCBCの今上半期の純利益は前年同期比25.3%増の25億3,000万ペソに達した。年率換算の株主資本利益率(ROE)は9.3%、総資産利益率(ROA)は1.1%となった。
 
 融資業務による純金利収入は74億5,000万ペソに達し総収入の63%を占めた。そして、純利鞘率は4.2%と依然業界最高水準を維持した、上半期末の融資残高は前年同期末比18%増の2,757億ペソに達した。ちなみに、受け入れ預金残高は3,219億ペソであり、手許計算による預貸率は約86%となる。一方、総資産残高は同9%増の4,687億ペソであった。

 RCBCは、業容拡大の一方で、財務体質の向上、自己資本拡充も推進してきた。上半期末の単独ベースでの不良債権(NPL)比率は0.24%、NPL貸し倒れ引当率は159%と良好である。支店網拡充やATM台数増加などネットワーク拡充も推進しており、上半期末の店舗数は450店(前年同期末は439店)、ATM台数は 1,208台(同1,163台)、顧客口座数は690万(同630万)に達している。なお、1支店当たりのATM設置台数は2.68台で業界最高水準である

 RCBCはフィリピンの有力財閥ユーチェンコグループ傘下の中核企業。ファーストシニアバイスプレジデントの松本康宏氏ら日本人駐在員3名(うち 一人はりそな銀行から出向の山戸 昭雄氏)を含む総勢40名超の日本企業部はフィリピン民間商業銀行でも有数の規模である。日系企業700社超と取引を有し、主要工業団地に支店を開設するなど、日系企業に対し充実した金融サービスを提供している(15年7月15日のフィリピン証券取引所回覧03919-2015号などより)。