サンミゲル、335億ペソの大型増資実施決議
2015/07/15
優先株約4億5千万株を1株75ペソで発行
既報のとおり、サンミゲル(SMC)グループは、15億米ドル(約1,800億円)を投じて、ミンダナオ島北スリガオにニッケル・プラントを建設する予定である。
このニッケルプラントは、低品位のニッケル酸化鉱からニッケル等を回収する技術であるHPAL(High Pressure Acid Leach =高圧硫酸浸出)によるプラントで年間処理能力は20万トンとなる。世界のニッケル資源の確保には、低品位鉱石からのニッケル分の回収が必須となっている。
SMCは2つのセメント工場を新設する以意向でもある。まずパンガシナン州の関連会社ノーザン・セメント社工場に新プラントを建設する。完工予定は2017年6月。さらに、ケソン州に新たなプラントを建設する。このプラントは2017年末までに完工予定である。双方のプラントともに年産能力200万トン、建設コストは4億米ドル、両プラントの合計建設コストは8億米ドルと見込まれている。
SMCは更に通信事業基盤を拡充する予定(詳細は別掲)でもあり、資金需要は一段と旺盛になりつつある。SMCは7月14日開催の取締役会において、資金調達の一環として大型増資を実施することを決議した。
具体的には、シリーズ2優先株を約4億4,667万株発行する。1株当たり発行額は75ペソ、発行総額は335億ペソという大型増資となる(15年7月14日のフィリピン証券取引所回覧03876-2015号より)。