上半期の新車販売好調、21%増の13.1万台(工業会)

2015/07/09

半期ベースで史上最高、年間でも4年連続最高記録期待
首位トヨタのシェア44%、2位三菱19%、3位フォード8%

 

 フィリピン自動車工業会(CAMPI)などが、2015年6月及び上半期(1月~6月)の新車販売動向を発表した。

 それによると、2015年6月のフィリピン国内四輪車新車販売台数 (CAMPIとトラック工業会加盟企業分のみ:以下工業会加盟企業分と記す)は、前年同月比23.3%増の2万4,185台に達した。堅調なフィリピン景気、 各社の販促強化の奏功などにより二桁増加ペースを続けた。車種別では、乗用車が同18.9%増の9,840台、商用車が同26.5%増の1万4,345台 であった。

 この結果、2015年上半期 の新車総販売台数(工業会加盟企業分)は、前年同期比21%増の13万1,465台に達し、半期ベースで史上最高となった。 車種別では、乗用車販売台数が同30%増の5万2,778台(構成比40%)と好調であった。一方、商用車も同15%増の7万8,687台(構成比60%)へと二桁増加となった。

 上半期のメーカー別販売台数シェア(工業会加盟企業ベース)首位はトヨタモーター・フィリピン(TMPC)の43.9%であった。 第2位は三菱モータース・フィリピンの19.2%、第3位はフォード・モーター・フィリピンの7.9%、第4位はいすゞ・フィリピンの7.7%、第5位はホンダカーズ・フィリピンの6.6%台と続く。

上記の販売台数、前年同期比、シェアなどは、自動車工業会加盟企業ベースの数値であり、CAMPIを脱退している韓国系の現代アジア・リソース(HARI)分などを含まないベースである。

 なお、2014年の新車販売台数(工業会加盟企業分)は、前年比30%増の23万4,747台であった。また、CAMPIを脱退している韓国系の現代アジア・リソース (HARI)など自動車輸入販売企業協会(AVID)加盟企業分を含む総販売台数は同27%増の26万9,841台に達した。そして、双方ともに3年連続 での過去最高更新となった。

 2015年もさらなる増加が期待できる状況である。CAMPIは現時点では、2015年の工業会加盟企業の販売台数は2014年比16%増の27万2,000台に達し、4年連続で最高記録を更新すると予想している。非加盟企業分も含めた新車総販売台数も30万台を突破、同15%増の31万台程度に達し、やはり4年連続の最高記録更新と見込んでいる。上半期の実績はその予想を上回るペースとなっている。

 2014年の1人当たり名目GDPは前年比7.6%増の12万6496ペソで、年末のペソ対米ドルレートで換算すると約2,830米ドルとなる。1人当たり名目GDPが3,000ドルを超えると家電など耐久消費財が急速に普及し、モータリゼーション(自動車社会化)が始まるといわれている。この点からも、フィリピン自動車市場の拡大ピッチは高まることが期待される(15年7月9日のフィリピン自動車工業会ニュースリリースなどより)。