セブ常石造船、累積建造200隻を突破

2015/07/08

創業20年で達成、比造船業発展に多大な貢献

常石造船(本社:広島県福山市)のフィリピン拠点であるツネイシヘビーインダストリーズ(セブ){セブ常石造船、以下:THI}は、6月30日、THI建造累計201隻目となるKAMSARMAXバルカーの8万1,600トン型ばら積み貨物船「BELGRANO」を竣工し、船主に引き渡した。



 1997年5月に第1隻目の2万3,000トン型ばら積み貨物船を竣工して以来、およそ18年で累計200隻超えを達成した。THIの建造実績の拡大は、フィリピンにおける造船業成長の一助となり、フィリピンは2010年、竣工量で世界第4位になった。

日本の造船技術を習得したTHIのスタッフは1996年、第1番船、2万3,000トン型ばら積み貨物船の建造に着手。1999年には、常石造船のオリジナルブランド「TESS(ツネイシ・エコノミカル・スタンダード・シップ)」シリーズ2隻目の船型、4万5,000トン型ばら積み貨物船「TESS45」を竣工した。TESSは、常石造船が1983年に開発したブランド船型である。高い燃費性能や多様な貨物や港に対応する柔軟性で、経済性に優れる点が評価されている。1984年に初代モデルTESS40(4万トン型ばら積み貨物船)を竣工して以来、常石グループ累計の建造隻数が400隻に迫るヒット商品となっている。

 THIでは、TESS45のほか、TESS52(5万2,000トン型)、TESS58(5万8,000トン型)、TESS45BOX(4万5,000トン型箱型貨物艙)、TESS35(3万5,000トン型)へと建造船型を拡大。2015年3月には、常石造船開発の最新船型「TESS58 AEROLINE」のグループ第1番船を竣工し、TESSシリーズでは累計150隻を建造している。

 また、市場のニーズに応えてTESSシリーズのほかにも建造船型の多様化を進め、2007年4月にはTHI初の自動車運搬船を竣工した。その後、2010年1月にTESSシリーズと並ぶ常石造船のヒット商品「KAMSARMAXバルカー」、同年11月に常石グループ最大船型「T-CORE180」(18万トン級ばら積み貨物船)もそれぞれ竣工し、グループの造船拠点として着実に実績を重ねている。

 2015年1月に社長に就任した三島明彦社長は、「建造船の価格、品質、生産リードタイム、環境性能における競争力を高めるため、日本の常石造船とともに常に模索を続けている。設立以来20年で201隻の船を竣工できたのは、顧客からの信頼、従業員の貢献、地域社会のサポートがあってこそ。THIは、支援に感謝するとともに、これからもともに理想の未来を歩んでいきたい」とコメントしている。

 なお、THIは、2014年に設立から20周年を迎えたフィリピン・セブ島に立地する、常石グループとフィリピンのアボイティス・グループとの合弁会社である。3万トン級から18万トン級のばら積み貨物船を中心に、年間約20隻を建造し、従業員数は協力会社を含め1万人を超えるフィリピン有数の造船所である。

 THIはフィリピン経済特区庁(PEZA)より、輸出事業におけるフィリピン経済の成長への貢献や、地域の発展に貢献するCSR活動で功績を認められ、 優秀輸出企業賞と優秀地域プロジェクト企業賞などを2004年からこれまで9回に渡って受賞している(15年7月8日のツネイシホールディングス株式 会社ニュースリリースなどより)。