比ホンダ自動車、新型HR-V(日本名ヴェゼル)発表
2015/06/10
積極的な新モデル投入や拡販効果で販売好調
5月販売台数63%増、5カ月間で43%増の6,785台
本田技研工業のフィリピンにおける四輪車拠点であるホンダカーズ・フィリピン(HCPI)が、6月9日に、小型クロスオーバーSUV(スポーツ多目的車)である新型「HR-V」(エイチアールブイ、日本名:ヴェゼル)を発売した。
「HR-V」はSUVの力強さ、クーペのあでやかさ、ミニバンの使いやすさ、さらには燃費性能まで、ジャンルの枠を超えた多面的な価値を高次元で融合さ せた全く新しいクルマといえる。流麗なフォルムのエクステリアは、SUVの安定感とクーペライクなスタイリングを融合することにより、感性を刺激するエ モーショナルなデザインを実現している。質感に徹底的にこだわったインテリアは、フロント席でクーペを思わせるパーソナルな空間を創出する一方、 Honda独創の「センタータンクレイアウト」により、流麗なフォルムからは想像できないほど大きな荷室やミニバン並みのゆとりあるリア席を実現してい る。
また、電子制御パーキングブレーキやオートブレーキホールド機能といった上級クラスに搭載されている先進技術や機能を装備し、スマートな操作性を追求し ている。また、上級セダンで使われる高性能の防音材やダンパーを採用することにより、優れた静粛性と操縦安定性を実現している。
販売価格は1.8S CVTが119万ペソ、1.8E CVTが123万ペソ、1.8EL CVTが134万ペソ、1.8E CVTモデューロ仕様車が129万ペソ、1.8EL CVT無限仕様車が150万ペソである。
HCPIは今年3月に、ミニバン「オデッセイ」2015年モデルを発売した。新型「オデッセイ」は日本・ASEANバージョンであり、 これまでの米国バージョンより車体やエンジンがコンパクトとなった。定員に関しても8人乗り(2-3-3)から7人乗り(2-2-3)へと変更された。
4月28日には新型「モビリオ」を発売した。 「モビリオ」は MobilityやMobileなどからの造語であり、本田技研工業がかつて日本国内で生産、販売していたミニバン型の小型乗用車の車名であった。 2010年代以降は、東南アジア向けの戦略多目的車(MUV)の車名に用いられている。今回発売された「モビリオ」は、直列4気筒1.5L i-VTECエンジンを搭載した3列シートで7人乗りのMUVである。2014年1月にインドネシアで発売、2014年7月にインドでも発売されている。
そして、6月9日の「HR-V」が今年3番目の新型モデル投入となった。また、同じ9日には昨年4月にフルモデルチェンジしたシティのマイナーチェンジ・モデルも発表された。
これまで、HCPIはセダンには強みを有するが多目的車やミニバンはやや手薄という感があったが、このところの新型モデルの積極投入により、セダン以外 の分野でもラインアップが急ピッチ充実されつつあり、消費者の選択肢が拡がっている。また、販売網の拡充により、消費者の利便性も高まっている。
このような積極的な新型モデル投入効果もあって、HCPIの2015年5月の総販売台数は前年同月比63%増の1,491台へと急増、業界全体の伸び率 18%を大幅に上回った。また、年初5カ月間の販売台数も前年同期比43%増の6,785台で、業界全体の伸び率20%を大幅に上回っている。今後、製品 ラインアップ拡充効果や環境対応性効果などが一段と顕在化されてくると見られる。
フィリピンで販売されるホンダ車は、世界で最も厳しいといわれるヨーロッパの排出ガス規制を基準に開発が行なわれている。 フィリピンでは現在、EURO4レベルの排出ガス基準への移行が焦点となっているが、HCPIは2004年という早い時期にEURO4レベル適合のモデル を導入、2007年にフィリピンで初めて全モデルのEURO4レベル適合を実現させている(15年6月9日のホンダカーズ・フィリピンのプレスリリースなどより)。