日本支援の巡視艇、ジャパンマリンに正式発注
2015/06/05
丸紅の協力で40m級多目的船10隻を建造
ジャパンマリンユナイテッド(JMU、本社:東京都港区)は、丸紅(本社:東京都千代田区)の協力のもと、40m級多目的船10隻の建造および特別予備品に関して、2015年5月29日にフィリピン運輸通信省より受注した。これに伴い、6月4日ベニグノ・アキノ3世フィリ ピン共和国大統領臨席のもと、ジョセフ・エミリオ・アバヤ運輸通信相を代表として、フィリピン運輸通信省との間で、「フィリピン沿岸警備隊海上安全能力強化事業」に基づく多目的船建造における相互協力につき協定書を締結した。
本件は日本政府の有償資金協力(ODA)「フィリピン沿岸警備隊海上安全能力強化事業」(STEP案件:本邦技術活用条件)に基づき、フィリピン運輸通 信省が発注者となりフィリピン沿岸警備隊が使用する40m級多目的船10隻の建造および特別予備品の供与を行うものである。当該多目的船は2016年8月 末から順次引渡される。
フィリピンは7000を超える島々と世界第5位(3.5万km)の海岸線を有する島嶼国国家であり、海上輸送は同国の経済・社会発展にとって大きな役割 を担っている。フィリピン沿岸警備隊は海上における安全確保のため海上捜索救助、海洋環境保全、海上法執行、航行安全管理等の業務を担っているが、広い海 域に比してこれら海上業務の足となる船舶数が不足している。中でも荒天時の救難活動や沿岸での巡回業務に必要な船舶が不足しており、船舶配備が可能な管区 が限られるなど、事故発生時の緊急対応や定期的なモニタリング活動に必要な体制を整備できていない状況にある。
JMUが受注したこの事業は、沿岸域内での海難救助や海上法執行等の業務を迅速かつ適切に実施するための能力向上を実現し、フィリピンにおける海上安全 の向上に寄与することが期待される。
JMUは海上保安庁向けの船舶をはじめとした豊富な建造経験を最大限活用し、今後も日本政府による世界各地域のODA案件に対し積極的に取り組み、国際 協力に貢献する。
丸紅は、社会・交通インフラからトレードに至るまで、フィリピンにおいて100年以上培ったビジネス実績を活かし、日比両国が相互互恵的な関係を発展さ せることに寄与する。
<主要目>
全長:約44.00メートル
幅:約7.50メートル
深さ:約4.00メートル
主機関:MTU 12V4000M93L x 2
定員:士官5名/乗員20名 計25名
航海速力:約15ノット
船級:日本海事協会
(15年6月4日の丸紅株式会社プレスリリースより)