比ユニクロ3周年、高人気のジョリビーと提携
2015/05/27
6月1日にマスコットキャラクターTシャツを発売
ファーストリテイリングはフィリピンにおけるユニクロ店舗の出店、運営を目的として、2012年1月にSMリテール社と共同出資して合弁会社「ファーストリテイリング・フィリピン社(FRPI、所在地:マニラ首都圏パサイ市)を設立した。ファーストリテイリン グの出資比率は75%である。
フィリピンでのユニクロ1号店は、2012年6月15日に、巨大ショッピング・モール「SMモール・オブ・アジア」に出店された。すなわち、フィリピン進出3周年を迎えつつある。この3周年を記念して5月29日から特別セールを実施する。
また、5月27日には、フィリピン外食最大手のジョリビー・フーズ(JFC)と提携すると発表した。提携内容は、ユニクロのTシャツ「UT」に、ジョリビーの人気マスコットキャラクター(蜜蜂モチーフなど)をデザインしたバージョンを投入、6月1日からフィリピンのユニクロ各店で販売するというものである。販売価格は価格は成人向けが390ペソ、子ども向けが290ペソとのことである。
提携先のJFCは、ハンバーガー(ジョリビー)、中華(チャウキン)、ピザ(グリーンウイッチ)、ケーキ(レッドリボン)、バーベキュー(マン・イナサル)などのチェーンを展開、2015年3月末現在の店舗数は、フィリピン国内だけで2,335店、海外で616店、合計2,951店に達している。
特にハンバーガーレストランチェンであるジョリビーは、フィリピンの国民食とまで称されるほどの人気を博している。そのシェアは50%と見られ、フィリピンは、マクドナルドがハンバーガー市場でトップになれない唯一の主要国となっている。3月末の国内店舗数は869店で、比マクドナルド462店の約2倍に達している。ジョリビーのグループ企業であるバーガー・キング45店を加えればその差はさらに拡大する。
このジョリビーの人気マスコットキャラクターをデザインしたTシャツは、ユニクロとジョリビー双方の人気を一段と高めることになると期待される。
なお、フィリピンでユニクロを展開するFRPIの合弁相手であるSMリテール社は、商業施設運営、銀行、不動産、ホテル、コンベンション事業などを展開するフィリピン最大級のコングロマリットであるSMインベストメンツ社の子会社であり、小売業におけるリーディングカンパニーで50年の歴史を誇っている。FRPIは2012年6月のユニクロ初出店時に、 「数年間でユニクロを50店舗出店、遠くない将来[2020年頃]にフィリピン首位となることを目指す」と表明している。
上記のように、ユニクロのフィリピン初出店は2012年6月15日であったが、約1年後の2013年5月に4店、13年11月に10店に達した。約2年後の14年5月には12店、14年12月に21店体制となり、2015年4月末時点で23店と順調に拡大してきている。
フィリピンのユニクロ店舗数推移
年 | 13年 | 14年 | 15年 | |||||||||
時期 | 5月末 | 8月末 | 11月末 | 2月末 | 5月末 | 8月末 | 11月末 | 12月末 | 1月末 | 2月末 | 3月末 | 4月末 |
店舗数 | 4 | 6 | 10 | 11 | 12 | 16 | 19 | 21 | 21 | 22 | 23 | 23 |
(出所:ファーストリテイリング資料などより作成)
下表のとおり、 13年8月末時点ではフィリピンのユニクロ店舗数は6店でアセアン主要国では、シンガポールの12店、マレーシア10店、タイ10店の後塵を拝し、第4位にとどまっていた。14年11月末時点でも、フィリピン店舗数は19店に増加したものの、依然、マレーシアの23店、シンガポールの21店、タイの21店に及ばず第4位のままであった。ところが、今年3月末には23店に達し、マレーシアの24店に次ぐ第2位に浮上した(ファーストリテイリング・フィリピンFacebook、ファーストリテイリング資料などより)。
アセアン主要国におけるユニクロ店舗数推移
時期 | 13年8月末 | 11月末 | 14年2月末 | 5月末 | 8月末 | 11月末 | 15年3月末 |
フィリピン | 6 | 10 | 11 | 12 | 16 | 19 | 23 |
シンガポール | 12 | 13 | 16 | 16 | 18 | 21 | 22 |
マレーシア | 10 | 12 | 14 | 18 | 21 | 23 | 24 |
タイ | 10 | 13 | 14 | 18 | 20 | 21 | 22 |
インドネシア | 1 | 2 | 3 | 4 | 4 | 6 | 6 |
(出所:ファーストリテイリングのユニクロ事業戦略資料より作成)