マニラ首都圏オフィス賃貸料、依然上昇続く

2015/05/18

マカティ市高級物件、1年間で6.7%上昇との予想

 

 国際的な総合不動産 コンサルティング企業であるコリアーズ・インターナショナル(コリアーズ)が、フィリピン・マニラ首都圏の不動産市場概観2015年第1四半期(1~3月)動向及び今後の見通しを発表した。

 マニラ首都圏では、オフィス・スペースの需要の高まりが2015年予定の建設事業の開始を早め、第1四半期にWilcon IT Hub等3オフィスビル(総床面積3万9,500㎡)が完成した。コリアーズは、年末時点で、約57万6,000㎡のオフィススペースが市場に供給され、 そのうち43%がボニファシオ・グローバル・シティに集中すると見ている。

 一方、マカティ中央ビジネス区(CBD)内のオフィス空室率は、全般的に2.2%と依然安定している。

 2015年第1四半期の平均賃貸料は、プレミアム物件で、前期比2.2%増の1,175ペソ/㎡、Aクラスは3.2%増の878ペソ/㎡、Bクラスは 1.9%増の673ペソ/㎡であった。コリアーズは、今後12カ月間(16年第1四半期)にプレミアム物件、A・Bクラスで6.5~7.6%上昇すると予 想している(15年5月14日のコリアーズ・フィリピンズ発表より)。



マカティCBDオフィス平米当たり月間賃貸料(単位:ペソ/平米)

物件タイプ 14年Q4 15年Q1 対前期伸び率 16年Q1(予) 年間変化率予想
プレミアム 1,000~1,300 1,020~1,330 2.2% 1,085~1,425 6.7%
Aクラス 695~1,005 705~1,050 3.2% 745~1,125 6.5%
Bクラス 550~770 560~785 1.9% 595~850 7.6%



マカティCBDオフィス空室率

物件タイプ 14年Q4 15年Q1 16年Q1(予)
プレミアム 0.5% 0.4% 0.2%
Aクラス 7.7% 7.6% 4.7%
Bクラス以下 0.8% 0.8% 0.6%
全クラス 2.2% 2.2% 1.4%



マニラ首都圏のオフィスストック&新規供給予想(単位:平米)

地区 14年末総面積 15年供給 16年供給 17年供給 18年供給 合計
マカティCBD 2,842,445 - - - 60,200 2,902,645
オルティガス 1,283,209 81,509 28,787 - 32,752 1,426,257
BGC 975,157 246,025 257,599 427,721 65,837 1,972,339
イーストウッド 300,264 - - 28,220 - 328,484
アラバン 378,271 - 53,330 70,563 - 502,164
マンダルーヨン 300,183 - - 101,184 - 401,367
北エドサ三角地帯 310,908 8,185 99,090 - 35,618 453,801
パサイ市埋立地 186,203 70,377 72,680 46,775 - 376,035
その他 408,365 170,343 137,118 181,641 86,058 983,525
合計 6,985,005 576,439 648,604 856,104 280,465 9,346,617

(その他:マニラ、パサイ、マンダルーヨン、ケソン市、BGC=ボニファシオ・グローバルシティ)


マカティCBDオフィス資本価値(利用可能エリア)(単位:万ペソ/㎡ )

物件タイプ 14年Q4 15年Q1 対前期伸び率 16年Q1(予想) 年間変化率予想
プレミアム 14.7~16.2万 14.8~16.8万 2.4% 15.7~18.2万 7.6%
Aクラス 8.3~11.3万 8.6~11.8万 4.1% 9.1~12.8万 7.5%
Bクラス 5.9~8.4万 6.2~8.5万 3.2% 6.7~9.3万 8.6%

(上記の表は全てコリアーズ・インターナショナル資料より作成、予想も同社によるもの)