住友鉱出資のニッケル・アジア好調、3.8倍増益に

2015/05/06

第1四半期純利益6.8億ペソ、大幅増収増益続く

 

 有力ニッケル鉱山会社であるニッケル・アジア・コーポレーション社(ナック社)が、5月5日に、2015年第1四半期(1月~3月)の決算速報を発表した。

 それらによると、ナック社の今第1四半期の鉱石出荷量は前年同期比32%増の349万トンへと二桁増 加した。ニッケル有力産出国のインドネシアが、2014年年初に未加工の鉱石輸出禁止措置を発動したことなどによる。このインドネシアによる鉱石輸出禁止 措置の効果は、2014年第2四半期以降に顕在化、ナック社の2015年第1四半期出荷量の二桁増加につながった。

 インドネシアの輸出禁止措置により、二ッケル市況が上昇した こととの相乗効果により、ナック社の鉱石出荷額は前年同期比95%増の28億4,000万ペソとほぼ倍増となった。ちなみに、日本と中国へ輸出150万ト ンの1トン当たり平均出荷価格は32.44米ドルで、前年同期の21.83米ドルから49%上昇した。

 この結果、第1四半期の総収入は前年比84%増の31億2,000万ペソ、帰属純利益は同281%増(約3.8倍)の6億7,580万ペソに達した。な お、利子・税金・償却前利益(EBIITDA)も同96%増の15億6,000万ペソへと大幅増加した。

 ナック社は世界有数のニッケル資源国であるフィリピンにおいて、最大規模のニッケル鉱石生産を行う鉱山会社である。そして、住友金属鉱山の重要な戦略 パートナーである。ナック社傘下には、CBNCへ出資するとともにニッケル鉱石を供給しているリオツバ・ニッケル・マイニング社がある。

 住友金属鉱山は2009年8月にナック社に資本参加した。2014年12月末時点で、100%子会社である住友金属鉱山フィリピン・ホールディングス (SMMPH)を通じて、ナック社株式約19.03%(個別株主名が明示されている分)を保有している(15年5月5日のフィリピン証券取引所回覧 02298-2015号などより)。