常石、フィリピンで電動三輪タクシー販売

2015/04/23

アジアでの環境保全事業の基盤強化へ
主力の造船はセブ等海外軸に生産性強化

 

 常石グループが4月22日に、2015年事業活動についての記者発表会を開催した。その概要は以下のとおり。

<2014年12月期のグループ動向>
 ツネイシホールディングス(本社:広島県福山市)2014年12月期(2014年1月1日~12月31日)の連結売上高(ツネイシホールディングス含む29社)は、前年比2%増の2,899億円であった。セグメント別売上高では、造船事業が前年比3.6%増の増の2,236億円、海運事業が前年比30.5%増の436億円、環境・エネルギー事業とサービス事業をあわせ、前年比11.5%減の432億円となった。2015年12月期の連結売上高は、2,377億円を見込んでいる。

 グループ中核の海運・造船業界は、為替の円安基調を受けて、海運市況、船価の底打ち感があり、新造船の発注意欲の高まりが見られたものの、依然として船腹過剰の状態は解消しておらず、市場の低迷は続いた。環境・エネルギーセグメントでは、グループの進出先であるフィリピン、パラグアイ、中国のほか、バングラディシュ、タイ、ベトナムなど、積極的に海外へと事業を展開している。

<2015年の事業方針>
1.造船事業
 オリジナル船型の8万2,000トン型ばら積み貨物船カムサマックスバルカーが2015年1月、9年11カ月で建造200隻を達成した。常石造船では、主力船型のカムサマックス、3万トンから6万トン級までを揃えるTESSシリーズをはじめ、ばら積み貨物船の省エネ性能の向上を進め、その技術をコンテナ船やタンカーといった船型へ応用していく。

 2015年1月、海外事業を推進してきた河野健二氏が新たに常石造船社長となった。海外を軸に生産性を強化するため、フィリピン、中国をはじめ、海外グループ会社と連携し、グローバル人材の育成に積極的に取り組むのをはじめ、常石工場の設備投資など、未来に向けた投資を継続していく。また4月には修繕本部をアフターサービス本部に名称を変更し、質の高いサービスを提供する。造船セグメント各社が連携し、バラスト水処理装置の取り付け改造工事を本格化、ビジネスチャンスを生かす。

2.海運事業
 2015年1月に神原ロジスティックスから、神原タグマリンサービスを別会社として設立。神原ロジスティックスは、福山港を基点に国際複合一貫輸送(NVOCC)を展開していく。定期船事業ではタイの大手船社Regional Container Linesとの上海トランシップ契約を締結により、上海をハブ港とする取り組みを推進。不定期船事業では、傭船更改時期を分散化するなどで対応し、市況に左右されにくい環境を整備する。


3.環境・エネルギー事業
 ツネイシカムテックス(本社:広島県福山市)では産業廃棄物の完全再資源化、さらにエネルギー化(発電)促進に向けた取り組みを加速する。また、アジアで展開している廃棄物処理事業の基盤整備を進めていく。ツネイシCバリューズ(本社:広島県福山市)では、今年はフィリピンでの電動3輪タクシーの販売事業に取り組む。
 なお、ツネイシカムテックスは、船舶廃油の処理会社として昭和42年に設立された。それ以降、産業廃棄物処理に関わる技術と設備の強化、数多くの実績、グループ会社との連携により廃棄物業界においてリーダー的地位を確立している。
 一方、自動車事業を担当するツネイシCバリューズは、経済性や環境配慮の面からカーライフを支援するサービス機能の強化や有益な情報を提供し、自動車利用者のニーズに柔軟に対応している。

4.サービス事業
 ツネイシヒューマンサービスとツネイシ境ガ浜リゾートは、2015年1月1日に合併し、ツネイシLR株式会社が誕生。この合併により、ホテル、体験型宿泊施設、レジャー施設など、従来分散していたサービス関連事業を総合的に運用し、地域資源を生かした新たな商品開発を行うなど、幅広い顧客層の多様な要望に応えるサービス会社を目指す。

 なお、常石グループは1903年の創業以来、ばら積み貨物船やコンテナ船を建造する常石造船をはじめ、日中定期コンテナ航路など輸送サービスを提供する神原汽船、廃棄物の完全リサイクル化を目指すツネイシカムテックス、地域に根差したサービスを提供するツネイシヒューマンサービスなど、造船事業、海運事業、環境・エネルギー事業、サービス事業の4つの事業分野で、世界経済の発展や地域社会の暮らしを支える製品、サービスを提供している。

 フィリピンの主要拠点はツネイシヘビーインダストリーズ(セブ){セブ常石造船}である。セブ常石造船は、2014年に設立20周年を迎えたフィリピ ン・セブ島に立地する常石グループとフィリピンのアボイティス・グループとの合弁会社である。3万トン級から18万トン級のばら積み貨物船を中心に、年間約20隻を建造し、従業員数は協力会社を含め1万人を超えるフィリピン有数の造船所となっている(15年4月23日のツネイシホールディングス株式会社ニュースリリースより)。