サンミゲル、依然として証券取引所(PSE)の大株主

2015/04/18

債券・為替取引所(PDS)の主要株主にも:15年3月末

 

 フィリピン証券取引所(PSE)は、4月16日、2015年3月末のPSE主要株主名簿を発表した。PSE自身もPSEに上場(上場日は2003年12月15日)にしており、他の上場企業と同様な情報公開義務がある。

 

 2015年3月末時点でのPSE株主名簿の1位(筆頭株主) とその保有比率は、ファースト・リソース・マネジメント&セキュリティーズの11.45%。第2位はサンミゲル退職プランの10.30%となっている。第3位がGSIS(公務員年金保障基金)の9.09%、第4位がバンコ・デ・オロ・トラストバンキング・グループの9.09%、第5位がラッキー・セキュリティーズの5.34%、第6位がパパ・セキュリティーズの5.14%、第7位が ドイチェバンク・マニラ顧客口座2.98%と続く

 サンミゲル退職プランは、3年以上にわたってPSE株式を10.3%以上保有、単独筆頭株主の座を維持してきた。今回はファースト・リソース・マネジメント&セキュリティーズに次ぐ第2位となったが、サンミゲル退職プラン以外で個別名称が記されていない分なども含めると、サンミゲル・グループのPSE保有比率は10.30%より高いとの見方もある。

 現在フィリピンでは、株式や株式に絡んだ派生商品(ワラントなど)の上場、売買はフィリピン証券取引所(PSE)が管轄している。一方、債券や固定利付き商品の上場、売買、外国為替取引に関しては、フィリピン・デーリング・システム・ホールディングス社(PDS)傘下の電子取引所(PDEx)などが担当している。

 現在のPDSの株主構成は、フィリピン銀行協会(BAP)28.9%、PSE21%、シンガポール証券取引所(SGX)20%、タタ・コンサルタンシーサービス(TCS)アジア8.0%、コンピューターシェア・テクノロジー8.0%、サンミゲル4.0%、フィリピン・アメリカンライフ&ジェネラルインシュアランス(フィーラム・ライフ)4%などである。

 なお、一昨年ごろからPSEとPDS合併等による金融取引統合化構想が浮上しているが、双方とも株主構成が多様であることもあって、その交渉には時間がかかっている。

 しかし、昨年央に、PSEが銀行協会(BAP)の保有するPDS株式28.9%を取得することで合意、PSEとBAPの間で売買条件概要書に署名が行われた。この売買が実現するだけで、PSEのPDS保有比率は49.9%に高まる。PSEは他の株主からもPDS株式を取得し、PDSを子会社化、ひいては金融取引統合化を計画している。

 このような金融取引統合化の動きの中で、サンミゲルは上記のように、株式、債券、外国為替など金融取引各機関の主要株主となっていることが注目される(フィリピン証券取引所ウエブサイトなどより)。