OFW送金、2カ月間で2.1%増の41億ドル

2015/04/15

うち銀行経由分は2.4%増の37億ドルに
日本から0.5%増の1億5,600万ドル、国別6位

 

 フィリピン中央銀行(BSP)によると、2015年2月のフィリピン人海外就労者(OFW)からの本国送金額(銀行経由の現金送金額)は前年同月比4.2%増の18億7,600万米ドル(速報値)であった。一方、日本からのOFW送金額は前月比10.4%減の7,350万米ドルであった。

 また、15年年初2カ月間(1~2月)の累計OFW送金額(銀行経由の現金送金額)は前年同期比2.4%増の36億9,000万米ドル。そのうち、陸上ベースのOFWからの送金は2.8%増の27億7,600万米ドル、海上ベースのOFWからの送金は1.1%増の9億1,400万米ドルであった。 なお、この統計におけるOFW送金額は中央銀行が把握している公式銀行ルートによるものである。

 送金元の国別動向については、1位が米国で前年同期比13.0%増の16億5,900万米ドル(シェア45.0%)、2位サウジアラビアの6.5%増の4億0,400万米ドル(10.9%)、3位アラブ首長国連邦(AUE)の2.7%減の2億2,900万米ドル(6.2%)、4位英国の17.7%減の1億7,500万米ドル(4.7%)、5位シンガポールの8.5%減の1億6,300万米ドル(4.4%)、6位日本の0.5%減の1億5,600万米ドル(4.2%)、7位香港の4.1%増の1億1,000万米ドル(3.0%)、8位カナダの17.2%減の9,300万米ドル(2.5%)など。

 フィリピン海外雇用管理局(POEA)の最新資料によると、2015年年初2カ月間に認可された求人は16万4,525人。そのうち26.5%は処理済。主にサービス業、製造業、専門職、技術系の職種で、主要ホスト国は、サウジアラビア、クウェート、台湾、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)など。

 根強いOFW需要のほか、継続的な銀行・ノンバンク系送金機関のネットワーク拡大、送金市場における金融商品の革新等がOFW送金の成長に寄与している。



海外フィリピン人労働者(OFW)からの銀行経由送金額推移(単位:百万米ドル)

項目 年間推移 1-2月
10年 11年 12年 13年 14年 14年 15年 伸び率(%)
送金額 18,763 20,117 21,391 22,984 24,348 3,604 3,690 2.4
日本から 883 914 1,010 904 982 155 156 0.5




月別海外フィリピン人労働者(OFW)からの銀行経由送金額推移(単位:百万ドル、%)

14年 15年
2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月
送金額 1,800 1,888 1,918 1,984 2,054 2,068 2,057 2,110 2,228 2,122 2,317 1,814 1,876
対前年同月伸率 5.9 6.8 5.4 5.6 6.1 6.2 6.1 8.1 6.9 1.8 6.3 0.5 4.2

(注:14年は改定値、15年は速報値)


 国際通貨基金(IMF)の「国際収支国際投資ポジションマニュアル」(BPM第6版)に準拠した包括的OFW送金データ(銀行経由現金送金+帰国時持参分+非現金型資産贈与含む)によると、2月の包括的OFW送金額(速報値)は前年同月比4.0%増の20億7,800万米ドル。年初2カ月間では前年同期比2.1%増の40億8,800万米ドルに達した。当然のことながら、従来からの公表データである銀行経由分のみの送金額を上回っている(15年4月15日のフィリピン中央銀行発表などより)。



包括的OFW送金額(単位:百万米ドル)

項目 年間推移 1-2月
10年 11年 12年 13年 14年 14年 15年 伸び率(%)
送金額 20,563 21,922 23,352 25,369 26,968 4,005 4,088 2.1




月別包括的OFW送金額推移(単位:百万ドル、%)

14年 15年
2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月
送金額 1,998 2,095 2,128 2,199 2,274 2,288 2,278 2,334 2,462 2,346 2,559 2,011 2,078
対前年同月伸率 6.2 7.2 5.4 5.7 7.2 7.3 7.4 8.3 6.8 1.5 6.0 0.2 4.0

(出所: フィリピン中央銀行資料より作成、14年は改定値、15年は速報値)