今年はフィリピン観光年、日本人訪問者50万人目標

2015/03/31

観光・語学留学・企業研修の受け入れ体制を強化

 

 フィリピン政府観光省(DOT)は、2015年を「フィリピン観光年」とし、フィリピン国内にて観光を盛り上げるべく、アート、カルチャー、エンターテインメントなど、観光客向けの様々なイベントを開催する他、語学留学やビジネス訪問の機会となるイベントの開催も予定している。日本においての施策としては、都内のJRや地下鉄の電車広告およびSNSをはじめいろいろな施策が展開されつつある。

<フィリピン観光年「3つのトピックス」>
1.語学留学・企業研修
 昨今、英語を公用語化する企業が増え、TOEICやTOEFL等のスコアが重視されるようになっている。人口の9割が英語話者であるフィリピンは、個人指導の英語学習でそのレベルの高さに定評があり、また、欧米と比べても格安で語学留学が可能という環境である。5月16日、17日にベルサール西新宿で、フィリピン留学フェアーが開催される。

2.LCCが成田に就航
 日本、フィリピン間の航空路線は、国土交通省などによる制限緩和を受けて、 2014年3月から羽田-マニラ路線を導入し、その後も名古屋、セブ間、関空、セブ間などの新規就航が相次いでおり、年間の総座席供給数は既に150万席を超えている。
 昨年のフィリピンへの日本人渡航者数は46万3,744人で7%増、また訪日フィリピン人も対前年で70%増と拡大したことが増便の大きな要因である。またマニラのニノイ・アキノ空港第1ターミナルのリノベーションや、リゾート施設が集中するセブ、ボホールでの新空港を建設するなど、空港の整備ににも注力している。

3.日本資本ホテルがフィリピンに進出
 今年はフィリピンに多くの国際ブランドホテルが次々にオープンする予定である。大型カジノリゾート「シティ・オブ・ドリームス マニラ」が完成し、アジア初のNobu Hotelがオープンする他、コンラッド、グランドハイアット、シャングリ・ラ、東横インなどが開業、2017年にはシェラトンやヒルトンなども完工する予定である。そして、2018年には新たなカジノリゾートに「ホテルオークラ・マニラ」を開業する計画が進んでいる。

<第66回さっぽろ雪まつり」への参加>
 第66回さっぽろ雪まつりにて、HBCフィリピン広場に、雪で作られた荘厳なマニラ大聖堂が建設。日本において最も有名な祭りの一つであるさっぽろ雪まつりへの参加は、フィリピン政府観光省による「フィリピン観光年2015」の施策の一つで、日本人観光客をフィリピンに誘致することを目標としている。今回の雪像建設は、北海道放送(HBC)と、フィリピン観光振興局(TPB)、駐日フィリピン大使館の協力により実現した。

<フィリピン 観光プロモーションビデオ2015>
フィリピン観光の魅力を伝えるために、現在トレインチャンネル[山手線(3月~12月) /銀座線(4月~12月)]にて、プロモーションビデオを公開している。
 
 なお、フィリピンにとって、日本は第3位の観光市場であり、経済、貿易関係も含めると最も重要な国と位置付けている。フィリピン観光省東京支局バレンチノ・カバンサグ氏は、「2015年のフィリピンは、観光客を惹きつける沢山の面白いイベントが目白押しである。フィリピンは、2015年の日本からの観光客50万人突破(前年比8%増)を目標としており、フィリピンが日本にとっての海外旅行の主要行き先となることを信じている」とコメントしている(15年3月30日のフィリピン政府観光省東京支局発表より)。

2014年のフィリピン訪問者国別動向(上位12カ国)

順位 国名 訪問者数 シェア(%) 対前年同期伸び率(%)
1 韓国 1,175,472 24.3 0.8
2 米国 722,750 15.0 7.1
3 日本 463,744 9.6 6.9
4 中国本土 394,951 8.2 -7.4
5 オーストラリア 224,784 4.7 5.5
6 シンガポール 179,099 3.7 2.3
7 カナダ 143,899 3.0 9.5
8 台湾 142,973 3.0 2.8
9 マレーシア 139,245 2.9 27.2
10 英国 133,665 2.8 8.9
11 香港 114,100 2.4 -9.5
12 ドイツ 72,801 1.5 2.6
在外フィリピン人 207,904 4.3 2.1
総合計 4,833,368 100.0 3.2

(出所:フィリピン観光省資料より作成 注:在外フィリピン人とはOFW除く比国籍保持者)