比トヨタ絶好調、14年の純利益71%増の73億ペソ

2015/03/27

売上高1千億ペソ突破、30%増の1,049億ペソに

 

 当地第2位(総資産ベース)の商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)がトヨタ車事業を強化しつつある。

  GTCAPは、トヨタ自動車のフィリピン拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMPC、所在地:ラグナ州サンタロサ市)の株式保有比率を51%に高め ているほか、有力販社であるであるトヨタ・マニラベイ社(TMBC)やトヨタ・クバオ社(TCI)のマジョリティーを保有している。さらに、昨年9月に は、トヨタ・ファイナンシャル・サービス・フィリピン(TFSPC)株式40%を取得した。これらのトヨタ関連各社の業績が総じて好調に推移している。 2014年(1月~12月)の各社の動向は以下のとおり。

 <トヨタモーター・フィリピン(TMPC)>
 TMPCの売上高は前年比30%増の1,049億ペソ、純利益は同71%増の73億ペソと 大幅増収増益決算であった。また、2013年の50%増益から一段と業績向上に拍車が掛った。2014年のトヨタブランド販売台数は前年比40.5%増の 10万5,635台に達し、工業会加盟企業でのシェアは45%、総販売台数ベースでのシェアは39.%で2位以下を大きく引き離している。レクサス・ブラ ンド車(前年比11.5%増の475台)を加えると、2014年のトヨタ車販売台数は10万6,110台となる。

 積極的な新型モデル投入、販売店拡充、拡販策の奏功などによる増収効果に加え、円安もあって利益率が改善した。
 
 TMPCは、2014年まで13年連続で、フィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)となった。 2015年の販売も一段と好調であり、 14年連続の三冠王達成が期待される状況である。 

 なお、TMPCは、1988年にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立され、1989年から生産/販売を開始した。。現行資本金は約 24億ペソ(約58億円)、出資比率はトヨタ自動車34%、 三井物産15%、メトロバンク・グループ(GTCAP)51%となっている。従業員数は2,017名(2013年12月末時点)に達している。
 
 現在、サブ・コンパクト・セダン「ヴィオス」や中型多目的車(MPV)「イノーバ」を現地生産しているほか、各種乗用車、商用車の輸入販売、国内向け部 品販売、部品輸出などを手掛けている。また、販社「レクサス・マニラ」を通じて、ハイブリッド車を含む各種レクサス車の輸入販売を行っている。2009年 1月に開業し昨年5周年を迎えた「レクサス・マニラ」は三井物産との合弁企業であり、TMPCの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となってい る。

 フィリピンにおけるトヨタとレクサスのディーラーは44(14年9月末時点)。TMPCが直接出資しているのはトヨタ・マカティ(出資比率100%)、 トヨタ・サンフェルナンド・パンパンガ(同75%)、レクサス・マニラ(同75%)である。

 <販社トヨタ・マニラベイ社(TMBC)、トヨタ・クバオ社(TCI)>
 ト ヨタ・マニラベイ社(TMBC)とトヨタ・クバオ社(TCI)の合計売上高は前年比21%増の166億ペソへと二桁増加した。合計純利益も同17%増の1 億4,000万ペソと二桁増加した。なお、TMBCはフィリピン最大のトヨタ車販売会社であり、トヨタ車販売シェアは約11%に達している。一方、TCI は1989年に設立されたトヨタ車販売の草分け的存在である。

 <トヨタ・ファイナンシャル・サービス・フィリピン(TFSPC)>
 トヨタ・ファイナンシャル・サービス・フィリピン(TFSPC)の金利収入は同33%増の24億ペソへと大幅増加した。ただし、販管費増加、税負担増 加、貸倒引当増加などにより、純利益は同9%減の4億ペソにとどまった(15年3月26日発表のGTキャピタル決算速報などより)。