ユニバーサルE、比カジノを17年第1四半期に完工意向

2015/03/10

 

 

 カジノ・娯楽関連企業であるユニバーサルエンターテインメント(旧社名アルゼ、ジャスダック上場、以下UE社)は、このほど、「マニラ首都圏での大型カジノ・リゾートホテルは2017年第1四半期中に完成させる」と表明した。そして、このカジノ・リゾートホテルは当初計画よりも9万7千平米拡張されるとのことである。

 なお、このカジノ・リゾート事業における贈賄疑惑に関して、UE社は2014年末に、「カジノ・リゾート事業での贈賄疑惑は解消したものと考えられる」 と発表した。 

 この発表においてUE社は、「フィリピンにおいて、UE社グループからフィリピン娯楽ゲーミング社(PAGCOR)の役職員等に対して賄賂を行ったとされる疑惑について、フィリピン司法長官発令にかかわる症例995号に基づき設置された、国家捜査局(NBI)及び国家検察部(NPS)の職員によって構成 される事実発見委員会(FFP)が、1年以上もの長期に亘る調査を行った結果、同委員会による2014年9月24日付最終報告書において、この疑惑を裏付ける証拠等が不十分である等として、検事総長が、司法長官に対して、この疑惑に係る調査の終結を具申するに至った。

 このことは、2014年12月10日に開催されたフィリピン下院議会のゲーム及び娯楽委員会の公聴会において、下院議員よりこの疑惑に関する質問があり、当該質問に対して、同会に出席していたNBI担当官が上記趣旨の回答を明言したことにより公に確認された」と説明した。

 UE社は更に、「UE社岡田和生取締役会長を被疑者として、第三者により東京地方検察庁になされていたこの疑惑に関連する外国公務信贈賄及び名誉棄損での刑事告発及び刑事告訴についても不起訴処分となった。これらにより、UE社グループ及びその役職員に対するこの疑惑は解消されたものと考えている」と強 調している。

 これらを根拠に、UE社は大型カジノ・リゾートホテル事業を継続する意向であり、PAGCORに対して、完成見込み時期の2015年から2017年への変更承認を申請したとのことでもある。
 
 なお、フィリピン政府は、国家プロジェクトとして観光事業を強力に推進することを目的に、マ二ラ湾岸沿いに「マニラベイ・エンターテインメントシティー」を創設しつつある。そして、2013年3月に『ソレア・リゾート&カジノ』(ソレア、ブルームベリー・リゾーツ社が開発・運営)が開業、2015 年2月に『シティ・オブ・ドリームス マニラ』(CDM、SMグループとメルコ・クラウンとの合弁事業)が全面開業した。今後、UE社グループの『マニラベイ・リゾーツ』とトラベラーズ・インターナショナル・ホテル(トラベラーズ)等の『リゾーツワール ド・ベイショア』(RWB)が開業予定である。すなわち、4グループの大型カジノ・リゾートプロジェクトが進行しつつある。

 UE社グループの『マニラベイ・リゾーツ』プロジェクトは、世界最大規模のカジノ施設を含む豪華ホテルや高級レストラン、商業施設、バジェットホテル、コンドミニアム、世界最大級の噴水やビーチクラブを兼備した一大複合リゾート開発が計画されている。

 UE社グループ゚は、2008年7月にプロジェクト用地取得、2008年8月に暫定カジノ・ライセンス取得などの準備を進めてきた。しかし、「用地取得に不正があった」、あるいは「認可プロセスなどにおいてフィリピン賭博公社の当時のトップなどに巨額の不正資金が流れた」などとの多くの報道が行われ、米国やフィリピン当局が捜査に着手するに至ったという経緯がある。