RCBC業績堅調、2014年のコア利益は29%増加
2015/03/05
特別益減少等で報告純利益は17%減の44億ペソ
自己資本比率15.37%、店舗449、口座数670万に
ユーチェンコ・グループの有力銀行であるリサール商業銀行(RCBC)が、3月4日に、2014年(1月~12月)の決算速報を発表した。
それによると、2014年の報告純利益は前年比17%減の44億ペソとなった。表面的には二桁減益という結果となったが、前年には非常に高水準の売買益 やその他特別売却益が計上されていたことの反動といえる。RCBC発表によると、売買益や特別売却益を除いたコア利益は同29%増加したとのことである。
主力の融資事業は依然好調であった。融資業務による純金利収入は前年比13%増の150億ペソに達した。純利鞘率(NIM)は4.30%で前年の4.22% から8ベーシス向上した。4.30%というのは業界最高水準である。2014年末の融資残高は同21%増の2,593億ペソに達した。ちなみに、総資産は同9%増の4,577億ペソであった。
RCBCは、業容拡大の一方で、財務体質の向上、自己資本拡充も推進してきた。2014年末の単独ベースでの不良債権(NPL)比率は0.30%、連結 ベースでも0.97%、単独ベースでの引当率は150.28%と良好。バーゼルⅢ基準での自己資本比率(CAR)は15.37%で中央銀行の最低基準 10%を大幅に上回っている。補完資本 (TIER2)を除いた普通株式中核自己資本(CET1)比率も11.83%で中央銀行の最低基準8.5%をかなり上回っている。
RCBCは、支店網拡充やATM台数増加などネットワーク拡充も推進しており、2014末の店舗数は449店(前年末は435店)、ATM台数は 1,202台(同1,150台)に達している。1店当たりATM設置台数は2.68台で業界最高水準である。総口座数は670万で前年同期末の590万か ら14%増加している。
なお、台湾の有力金融グループ「キャセイ・ファイナンス」によるRCBCへの出資などが、今年2月 20日、フィリピン中央銀行(BSP)によって承認された。具体的には、「キャセイ・ファイナンス・ホールディングス」の100%子会社である「キャセ イ・ライフ・インシュランス」が、RCBC新株約1億 2,424株を1株当たり64ペソ、合計約79億5,000万ペソで取得する。さらに、国際金融公社(IFC)やCVCというRCBC既存株主から約1億 5,576万株を1株当たり64ペソ、合計99億7,000 万ペソで取得する。これらの179億2,000万ペソ(約4億米ドル)の出資が完了すると、「キャセイ・ライフ・インシュランス」はRCBC株式の20% (約2億8千万株)を保有することになる。
この「キャセイ・ライフ・インシュランス」によるRCBC新株約1億2,424株の取得が完了すると、 RCBCのCET1は13.9%へと上昇、業界最高水準となる(15年3月4日のフィリピン証券取引所回覧01029-2015号より)。