2014年のOFW送金6.2%増の269億ドルに

2015/02/16

銀行経由は5.8%増の243億ドル、共に史上最高
日本からは8.7%増の9億8千万ドル、国別6位に

 

 フィリピン中央銀行(BSP)によると、2014年12月のフィリピン人海外就労者(OFW)からの本国送金額(銀行 経由の現金送金額)は前年同月比6.6%増、前月比9.2%増の23億1,700万米ドル(速報値)であった。一方、日本からのOFW送金額は前月比 4.1%増の7,870万ドルであった。

 14年通年(1~12月)の累計OFW送金額(銀行経由の現金送金額)は前年比5.8%増の243億0,800万米ドル。そのうち、陸上ベースのOFW からの送金は5.5%増の187億3,200万米ドル(シェア77.1%)、海上ベースのOFWからの送金は6.9%増の55億7,600万米ドル (22.9%)であった。 なお、この統計におけるOFW送金額は中央銀行が把握している公式銀行ルートによるものである。

 送金元の国別動向については、1位が米国で前年比4.7%増の103億7,400万米ドル(シェア42.7%)、2位サウジアラビアの19.7%増の 25億2,600万米ドル(10.4%)、3位アラブ首長国連邦(AUE)の35.7%増の17億1,400万米ドル(7.1%)、4位英国の5.6%増 の13億9,500万米ドル(5.7%)、5位シンガポールの10.8%増の11億7,800万米ドル(4.8%)、6位日本の8.7%増の9億 8,200万米 ドル(4.0%)、7位香港の25%増の6億9,400万米ドル(2.9%)、8位カナダの26%減の6億5,100万米ドル(2.7%)など。

 フィリピン海外雇用管理局(POEA)の最新資料によると、2014年に認可された求人は、前年比10.7%増の87万8,609人。そのうち 43.6%は処理済。主にサービス業、製造業、専門職、技術系の職種で、主要ホスト国は、サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)、台 湾、カタールなど。

 根強いOFW需要のほか、銀行やノンバンク系送金機関の継続的なネットワーク拡大、送金市場における金融商品の革新等がOFW送金の増加に寄与している。

海外フィリピン人労働者(OFW)からの銀行経由送金額推移(単位:百万米ドル)

項目 年間推移
09年 10年 11年 12年 13年 14年 14年伸び率(%)
送金額 17,348 18,763 20,117 21,391 22,968 24,308 5.8
日本から 774 883 914 1,010 904 982 8.7




月別海外フィリピン人労働者(OFW)からの銀行経由送金額推移(単位:百万ドル、%)

13年 14年 
12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
送金額 2,173 1,799 1,796 1,883 1,914 1,980 2,050 2,063 2,053 2,107 2,224 2,122 2,317
対前年同月伸率 10.0 5.9 5.6 6.5 5.2 5.4 5.9 6.0 6.0 7.9 7.0 2.0 6.6

(注:13年は改定値、14年は速報値)


 国際通貨基金(IMF)の「国際収支国際投資ポジションマニュアル」(BPM第6版)に準拠した包括的OFW送金データ(銀行経由現金送金+帰国時持参 分+非現金型資産贈与含む)によると、12月の包括的OFW送金額(速報値)は前年同月比6.4%増の25億5,900万米ドル、年間累計では前年比 6.2%増の269億2,400万米ドルとなり、中央銀行の年間増加率予想5%を超えた。包括的OFW送金額は当然のことながら、従来からの公表データで ある銀行経由分のみの送金額を上回っている(15年2月16日のフィリピン中央銀行発表などより)。


   包括的OFW送金額(単位:百万米ドル)

項目 年間推移
09年 10年 11年 12年 13年 14年 14年伸び率(%)
送金額 19,078 20,563 21,922 23,352 25,351 26,924 6.2




月別包括的OFW送金額推移(単位:百万ドル、%)

13年 14年 
12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
送金額 2,405 2,002 1,994 2,089 2,124 2,195 2,270 2,284 2,274 2,330 2,458 2,346 2,559
対前年同月伸率 13.4 6.8 6.0 6.9 5.2 5.5 7.0 7.1 7.2 8.1 6.9 1.8 6.4

(出所: フィリピン中央銀行資料より作成、13年は改定値、14年は速報値)