三井住友銀行、マニラ支店開設予備認可取得

2015/02/16

三井住友銀行は、2月13日付けで、フィリピン中央銀行(BSP)より、フィリピン・マニラ首都圏マカティ市におけるマニラ支店開設の予備認可を取得した。これを受け、今後、日本金融庁の認可取得を前提に、マニラ支店開設に向けた手続きを進めていく。



 既報のとおり、昨年フィリピンにおいて、銀行業界における外資規制撤廃法が成立したことで、外資銀行のフィリピン参入の動きが活発化しつつある。従来から法的には外国銀行の参入は認められていたが、実際には、法の運用規定により新たな本格参入が不可能な状況が続いてきた。

 フィリピ ンでは外資系銀行の国内参入に関する規定(1994年施行)が制定されており、外資系金融機関は①フル・バンキング免許取得による支店開設、②新たに設立される銀行の60%(上限)の株式取得、③既存銀行の60%(上限)の株式取得、のいずれかによってフィリピンへの参入が可能であった。しかし、「新規に参入する外資系金融機関数を10 行とする」との運用規定により、10行に到達した1999年以降は法律自体がモラトリアム状態となってきた。したがって、法的には自由なものの、運用規定 により実際には参入不可能という状況が続いてきた。

 そのような経緯を経て、邦銀は現時点では、三菱東京UFJ銀行(当時は東京銀行)とみずほ銀行(当時は富士銀行)の2行のみがフル・バンキング免許保有のマニラ支店を開設している。そして、両行とともに3大メガバンクとされる三井住友銀行はマニラ駐在員事務所設立(1975年)にとどまっている。三井住友銀行は、当地第2位(総資産ベース)の商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク、本店:マニラ首都圏マカティ市)と提携、メトロバンクのジャパン・デスクに人員を派遣したりしているが、本体の事業展開では大きなハンディを抱えるという状況が続いてきた。

 昨年の銀行業界における外資規制撤廃法成立により、60%という出資比率上限や10行までという外資系金融機関数制限がなくなり、外資100%出資銀行設立や現地銀行の100%買収も可能となる。したがって、三井住友銀行も、マニラ支店開設申請を行い、上記のように、予備認可を取得した(15年2月16日の株式会社三井住友銀行ニュースリリースなどより)。