マニラ首都圏オフィス賃貸料、一段高に
2015/02/15
マカティ市高級物件、1年間で約7%上昇へ
990~1,360ペソ/平米に:コリアーズ予想
国際的な総合不動産コンサルティング企業であるコリアーズ・インターナショナル(コリアーズ)が、マニラ首都圏の不動産市場概観2014年第4四半期(10~12月)動向及び今後の見通しを発表した。
それによると、マニラ首都圏では2014年第4四半期に16のオフィスビル(総床面積19万5,000㎡)が完成し、2014年の供給面積は合計46万6,350㎡に達した。アラバン・エリアにフィルインベスト2 & 3(4万1,390㎡)、ボニファシオ・グローバル・シティ(BGC)にパノラマ・タワー(1万4,680㎡)、オルティガスセンター・エリアにロックウェル・ビジネスセンター・タワー3(2万5,320㎡)、ベイ・エリアにアセアナ2(1万0,440㎡)などが完工した。2015年には56万㎡のオフィススペースが供給され、そのうち42%がボニファシオ・グローバル・シティに集中と予想されている。
一方、マカティ中央ビジネス区(CBD)内のオフィス空室率は、フィラムライフ・タワーの1,120㎡が空いたことで、プレミアム物件の空室率が小幅上昇した。また、Aクラスは小型サイズのオフィススペースの空きが増えたことで、空室率が7%に達した。
2014年第4四半期のプレミアム物件の平均賃貸料は前期比2.2%増の1,150ペソ/平米、Aクラスは850ペソ/平米、Bクラスは660ペソ/平米であった。コリアーズは、今後12カ月間(15年第4四半期)にプレミアム物件、A・Bクラスで6.7~8.3%上昇すると予想している。
マカティCBDオフィス平米当たり月間賃貸料(単位:ペソ/平米)
物件タイプ | 14年Q4 | 14年Q3 | 対前期伸び率 | 15年Q4(予) | 年間変化率予想 |
プレミアム | 1,000~1,300 | 970~1,280 | 2.2% | 1,060~1,390 | 6.7% |
Aクラス | 695~1,005 | 685~995 | 1.2% | 735~1,085 | 6.9% |
Bクラス | 550~770 | 530~735 | 4.4% | 585~845 | 8.3% |
マカティCBDオフィス空室率
物件タイプ | 14年Q4 | 14年Q3 | 15年Q4(予) |
プレミアム | 0.5% | 0.2% | 0.2% |
Aクラス | 7.0% | 6.7% | 6.2% |
Bクラス以下 | 0.8% | 0.7% | 0.5% |
全クラス | 2.0% | 1.9% | 1.6% |
マニラ首都圏のオフィスストック&新規供給予想(単位:平米)
地区 | 13年末総面積 | 14年供給 | 15年供給 | 16年供給 | 17年供給 | 合計 |
マカティCBD | 2,827,865 | 19,532 | - | - | - | 2,847,397 |
オルティガス | 1,160,350 | 118,159 | 81,509 | 14,393 | - | 1,374,411 |
BGC | 908,889 | 73,636 | 240,855 | 220,848 | 397,817 | 1,842,045 |
イーストウッド | 300,264 | - | - | - | 28,220 | 328,484 |
アラバン | 305,426 | 72,844 | - | 42,070 | 70,563 | 490,903 |
その他 | 1,009,396 | 182,183 | 241,210 | 319,952 | 197,711 | 1,950,443 |
合計 | 6,512,191 | 466,354 | 563,565 | 597,263 | 694,311 | 8,833,684 |
(その他:マニラ、パサイ、マンダルーヨン、ケソン市、BGC=ボニファシオ・グローバルシティ)
マカティCBDオフィス資本価値(利用可能エリア)(単位:万ペソ/㎡ )
物件タイプ | 14年Q4 | 14年Q3 | 対前期伸び率 | 15年Q4(予想) | 年間変化率予想 |
プレミアム | 14.7~16.2万 | 14.4~15.4万 | 3.3% | 15.6~17.6万 | 7.5% |
Aクラス | 8.3~11.3万 | 8.0~11.2万 | 1.7% | 8.8~12.2万 | 7.0% |
Bクラス | 5.9~8.4万 | 5.8~8.0万 | 3.3% | 6.3~9.1万 | 8.4% |
(上記の表は全てコリアーズ・インターナショナル資料より作成、予想も同社によるもの)