地上デジタルTV放送開始へ、ABSーCBNが先導

2015/02/09

フィリピンのテレビ放送も、地上デジタル放送(地デジ)時代を迎えつつある。
 

既に日本方式(地デジ日本方式)の採用が正式決定されており、フィリピン通信委員会(NTC)は昨年12月に、回覧07-12-2014号において、フィリピンにおける地デジ導入に関するガイドラインを正式に発表した。そして、フィリピンにおける地デジは全て日本方式で統一すると明言した。



 2月10日付けフィリピン・スター紙電子版などによると、最大のテレビ局であるABS-CBNが、2月11日から、地デジ放送サービスを開始するとのことである。開始セレモニーも実施される。

 2010年6月のアロヨ前政権における地デジ日本方式採用表明以降、紆余曲折があったが、フィリピンがASEANで初の日本方式採用国となる。日本から地理的に近く、人口1億人のフィリピンが日本方式を採用することは、日本企業の海外展開促進の面でも大きな意義を有するものである。

 なお、国際標準となっている地上デジタルテレビジョン放送の規格には、大きく分け日本方式(ISDB-T)、欧州方式、米国方式、中国方式の4方式が存在する。日本方式は、1つの送信機で固定端末向けと携帯端末向け放送を実現し、効率的な設備投資でネットワーク構築が可能といった優位性がある他、災害時や停電時のような状態であっても、電池で稼働しいつでもどこでも受信できる携帯端末向け放送や緊急警報放送等の機能は、災害対策のツールとしても有効である。このような利点が評価され、フィリピンでの日本方式採用が決定された。