2014年のグローブ・テレコム、史上最高益更新
2015/02/05
純利益2.7倍の134億ペソ、実質ベースで25%増益
携帯加入14%増の4,404万件、ブロードバンド37%増
当地第2位の通信企業グローブ・テレコムは2月5日、2014年(1月~12月)の決算速報を発表した。収入、税金・金利・償却前利益(EBITDA)、純利益、コア純利益ともに史上最高を記録するなど好決算となった。
2014年のサービス収入は前年同期比9%増の991億ペソで史上最高となった。主力の携帯通信収入が同7%増の781億ペソ(構成比79%)、ブロードバンド収入が同22%増の127億ペソ、固定回線データ事業収入が同17%増の55億ペソ、固定回線音声関連収入が同7%増の28億ペソといずれも増収であった。
営業費用が同11%増の598億ペソへと増加したが、税金・金利・償却前利益(EBITDA)は同8%増の393億ペソで史上最高となった。減価償却費が同34%減の181億ペソへと急減(前年は加速減価償却により非常に高水準)したことなどで、報告純利益は同170%増(約2.7倍)の134億ペソへと急増、史上最高益となった。一時的損益や外為変動損益などを除いたコア純利益も史上最高の同25%増の145億ペソに達した。すなわち、実質25%増益であった。
業界首位のフィリピン長距離電話(PLDT)の業績は伸び悩んでいる。昨年11月に発表された9カ月間決算においては、サービス収入が同1%増の1,229億ペソにとどまり、報告純利益は同3%減の280億ペソ、デリィバティブ損益など一時的損益を調整したコア純利益も同1%減の286億ペソと減益であった。昨年9月末の携帯通信加入件数は前年同期末比4.8%減の6,900万件であった。
収入や純利益規模、加入者数などでは、依然PLDTがグローブ・テレコムにかなりの差をつけている。しかし、2014年の増益率や携帯通信加入者数増加率では、好調のグローブ・テレコムと伸び悩みのPLDTで明暗を分けそうである(15年2月5日のフィリピン証券取引所回覧00522-2014号などより)。